2025.11.16
こどものしあわせ、みんなのしあわせ~考えよう こどもの権利~日本子どもの虐待防止学会第31回学術集会
11月15日(土)~16日(日)に開催された #日本子ども虐待防止学会 に参加しました。
今年のテーマは、こどものしあわせ、みんなのしあわせ〜考えよう こどもの権利〜です。基調講演では、元国連子どもの権利委員会委員長の大谷美紀子弁護士がお話されました。
#子どもの権利条約第19条 #暴力からの自由についての子どもの権利 は、生命、生存、発達、教育、健康、親からの不分離など、他のあらゆる子どもの権利に影響するものであり、
子どもが虐待や暴力から守られることは、ひとりひとりが大切にされ、暴力のない平和な社会を築く要と強調されました。
そして、その権利を守る責任は、国、地方公共団体、立法、行政、司法機関、子どもに関わるすべての専門職、家庭、学校、地域で子どもに関わるすべての大人であり、暴力のない社会は子どもから始まる。
子どもは一人の人権を持った人間、権利の主体であり、暴力のない社会を築くためのパートナー。子ども達と一緒に考えていこうとよびかけられ、私自身も感動し、その意味を深く胸に刻み歩みたいと思いました。
プログラム全体では、シンポジウム、ワークショップなど、全国からの多数の演題、発表が寄せられていて、どれもすべて聞きたい!と思うものばかりでしたが、私自身は北区の行政課題となっている児童相談所開設・運営について、先行している中野区のとりくみや、また地域でこどもや親の支援の体制、受け皿となる子ども家庭支援の大分の取り組みはとても参考になる内容でした。
児童相談所、一時保護所、里親、子ども家庭支援などの社会的養護や地域の支援体制についても、子どもの権利保障の観点から、あり方や運営を見直し作っていく取り組みがすすんでいます。
中野区で開設4年目を迎える児童相談所の取り組みについては、
子どもの夢、希望を教えてもらうことから始め、それを支える安心の家族を支援するソーシャルワークの取り組み、子ども自身が援助方針会議へ参画する、一時保護所の意見聴取等措置(インテーク、生活ガイド、子どもの権利、わーず&ピクチャーズ家族から子どもへ)と、独立型の子どもアドボケイト導入(意見表明等支援事業の実施)、
また、そうした取り組みを支えるしくみ組織横断プロジェクトチームの運営、ケアする人を支援する取り組み、信頼されるしくみづくり、まちづくりはどれも、北区の実践に生かしていきたい内容と感じました。
大分県での地域密着型の在宅での子ども家庭支援について(清浄園の報告)は、
施設から、家庭復帰後、地域での支援体制もまだまだ不十分で、再措置となる場合もあり、子ども自ら施設入所を希望してくる場合も紹介され、地域の見守り体制をどうつくっていくか。要保護対策協議会で把握している児童27万人、施設入所4万人。20万人以上はどう過ごしているのか。
十分な食事や安心の居住や居場所を確保し、逆境的体験を抑え、地域で生活する子どもが支えられるように「社会的な親」体制をつくっていく重要性が語られました。
具体的には、お弁当を持って訪問するなどアウトリーチ見守り強化事業、こどもの入所希望で可能なショートステイ、ホームヘルパーの派遣や、児童育成支援拠点事業の実施です。とりわけ、放課後以降、宿題やお風呂、食事など提供する地域の中の育成支援拠点事業は、親以外の子どもとの関係形成に重要。子どもの成長に伴走するもので、北区でも整備を推進したいと強く感じました。



