2025.12.03
新庁舎建設に関する区民陳情が2つ審議されました
12月2日(火)北区議会企画総務委員会にて、新庁舎建設に関する2本の区民陳情が審査されました。
1つは、陳情7-20号「北区新庁舎基本設計案に関する件」です。陳情7-20号.pdf
要旨は「北区新庁舎建設基本設計の中間のまとめにおいて提示された概算建設工事費535億円は、基本計画時の315億円に比べて1.7倍に達しており、区民にとって受け入れられる水準を大きく超えています。負債を増額してまで現在の想定規模を維持するのではなく、延べ面積48,500㎡とする現行計画を見直し、規模を縮小することで建設工事費を抑制し、区民負担を軽減する計画への修正を検討することを強く要望します」との内容です。
審査前に陳情者から「535億円1.7倍の計画のまま突き進むのはいかがなものか。中間報告の際、回廊、吹き抜け、曲面など模型も示されたが、よりシンプルでコストのかからない単純な形で十分。身の丈にあった庁舎を建てるべき。無理強いして建ててはならない。責任が問われる」との意見陳述もありました。
2つは、陳情7-21「北区新庁舎基本設計案に関する件」です。陳情7-21号.pdf
要旨は「北区新庁舎建設基本設計の中間のまとめにおいて提示された概算建設工事費535億円は、基本計画時の315億円に比べて1.7倍に達しており、区民にとって受け入れられる水準を大きく超えています。しかも、一般的に建設工事費の3~4倍にも及ぶと言われているライフ・サイクル・コスト試算の提示もなく、このまま設計を進めることは、将来の財政負担に対して余りにも無責任な進め方であると思わざるを得ません。ここ最近、財政難で公共施設の維持管理が出来ずにサービスが廃止される自治体も急増
しています。このような事態を招かない為にも、基本設計完了時点で、ある程度確度を持ったライフ・サイクル・コスト試算を区民及び議会に対して開示し、それを基に、本設計内容が本区の財政に与える影響や区民の将来負担がどのようになるのかについて、しっかりと説明責任を果たしていただき、その合意形成を経て、次の実施設計に進むことを、強く要望します」との内容です。
審査前に陳情者から「基本設計が終わった段階で、建設費、ランニングコスト、維持保全、解体費のライフサイクルを計算し明確にすべき。国土交通省基準で、535億円の4倍2140億円になる。将来の財政負担は大丈夫かと感じている。丁寧に住民に説明するべき」との意見陳述がありました。
以下、各会派委員の質疑要旨を紹介します。
野々山委員(共産)は、DXやテレワーク対応を含めた執務スペースの反映について、設計を見直した場合の建設コスト全体や竣工時期の影響について、基本設計や実施設計と進む中で更なるコストを下げる見通しなどについて質問。
北区は、庁舎は一般のオフィスと違うので減とならない。職員は増えているのが実態(新庁舎に入る予定の職員数1700名)。基本設計の変更は終盤のまとめ段階であり2~3年もどると開庁が遅くなる。また王子周辺のまちづくりとして隣接(民間開発など)と連携してすすめることもあり設計をもとにもどすのは難しい。コストカットは今後も進めたい。工夫を積み重ね、コンストラクションマネージャーの専門家もはいっているので相談して進めたい。ライフサイクルコストは基本設計終了後に提示予定と答弁。
野々山委員、更なるコスト削減は徹底して行うべきだとの陳情の意をくむべきとして、20号は趣旨採択。21号は採択を主張。
近藤委員(公明)は、区役所はひとつのモニュメント。王子のステイタスに。ただ、コストは下げ、ランニングコストも考えて、区民にとって思いの持てるものにとして、20号21号ともに継続を主張。
斉藤委員(維新)は、1.7倍は区議会も共有している。おっしゃるとおり。ライフサイクルコストも重要として、20号21号ともに趣旨採択を主張。
濱田委員(ミカタ)は、物価も人件費も倍になり、1.7倍は莫大とは思っていないが、今後どう上がっていくか懸念している。1秒でも早く建てた方が安くなるかなと考えるとして、20号は趣旨採択、21号は継続を主張。
渡辺委員(自民)は、延床面積の見直しは難しいとして、20号は不採択。21号は継続を主張。
永沼委員(新時代)は、大事な税金を大切に使っていく必要あるとして、20号21号ともに継続を主張。
態度表明の結果、20号については、いずれも過半数に達せず、継続審査。
21号については、継続が過半数(4)を超え、継続審査となりました。

8月の中間のまとめ説明会で示された新庁舎の模型(第1庁舎玄関ロビーにて)
2025.12.02
公共施設建設入札の厳しさ
今朝は王子駅中央口にてご報告。
昨日の北区議会健康福祉委員会の質疑の内容をご報告。
国有地対策との関係で止まっていた #仮称特別養護老人ホーム王子みずほ の
民間法人との協議がようやく進み、開設予定がR11年4月となつたこと。
#児童相談所等複合施設(子ども家庭支援センターや児童発達支援センター、教育相談センター合築)について、入札不調が続き設計を見直し、開設が当初予定の4年後となること等、
お話させて頂きました。
さらに、新庁舎建設については、夏に中間のまとめが北区ニュースや住民説明会で広報され、当初整備費の約1.7倍525億円となることも明らかとなり、建設コスト、ランニングコストを懸念する区民から、今議会に陳情もだされました。
円安が進み資材高騰などの一方で、民需も高まり、公共施設の入札は、都内どこでも大変厳しい状況が続いています。
必要な区民サービス施設の更新や建設が進むよう、コスト縮減をはかり、区民理解を得ながら取り組みたいと思います。



王子駅そばの音無公園の紅葉

