誰もがサポーターのまちづくり~精神障害にも対応した地域包括ケアシステム推進~

 12月15日(月)、北区「精神障害にも対応した地域包括ケア」(以降、にも包括)推進に向けて、誰もがサポ―ターのまちづくりをテーマに講演、ワールドカフェが北とぴあを会場に行われました。

現在、北区では北区の障害福祉課と北区障害者地域活動支援室「支援センターきらきら」(特定非営利活動法人北区精神障害者を守る家族会 飛鳥会が受託し運営)を事務局として「にも包括」の取り組みを進めています。

はじめに、「支援センターきらきら」の横手さん、向坊さんより、5年間の取り組みについて報告がありました。

先にのべた事務局の他、北区生活福祉課、区内障害者福祉サービス事業所、相談事業所、健康支援センター保健師、北区・近隣の精神科病院、区民・当事者、学識経験者など10名程度で、アイデアを出し合い、官民協働による実効性のある会議体を運営し、

結果は、45カ所の病院に269名の入院患者数。うち65歳以上が147名(女性87名、男性58名)、区市町村別では板橋区に108名、北区に72名と区西北部に集中。入院回数では1回目が100人、2回目以降が168名。入院期間と隊員の意向では、1年未満が100名、1年以上が169名と6割以上が1年以上。1年未満では退院の意向有りが40名が、年数が長くなると人数が少なくなる傾向あり。との報告がありました。

昨年、R6年度、第1回目の養成講座を開催し59名が参加。講習、演習を実施し8名が卒業。5名が登録。R7年度は、専門職、地域の方、当事者も含め互いに支え合える関係をつくりたいと「きらピア」という活動のベースとなる場を毎月第3火曜日に開催し、自身のリカバリーストーリーを分かち合え学びあえる場をつくった。

自分の得意なことを活かし、お互いに尊重し合い、楽しく一緒にすすめるために、できることをできる範囲での姿勢を大切にしたいと。

所沢市は人口が34.2万人、北区と同規模の人口をもつ自治体です。同市を含めた5市合同の狭山保健所の管轄で(R12年度には中核市保健所を設置予定)、市内の保健センター内に「こころの健康支援室」を配置し、R7年度は、室長1名、事務職2名、精神保健福祉士12名、ピアサポーター1名(障害者雇用)で、精神保健福祉の一元化された総合相談窓口を担っている。(精神保健福祉士は人事異動がないため、当事者、家族会、関係機関と長期的なかかわりをもつことが強み)

こころの健康保健室の事業は、精神保健相談(来所、訪問、電話、メール、精神科・思春期相談)、啓発事業(市民向け講座や研修、家族会支援、ピアサポーター養成講座)、各種申請(自立支援医療、精神保健福祉手帳など)、障害福祉サービスの利用相談、委託事業(精神障害者アウトリーチ支援事業、当事者や家族のレスパイト一時宿泊事業)、自殺防止対策、権利擁護、各種関係機関会議などを担っています。

対象は、所沢市民であり、精神疾患、もしくは疑われる人、既存の支援につながりにくい人で、治療にむすびついていない、もしくは治療中断している。過去に精神科救急の利用や入院歴ある。ひきこもりなどで学校、職場にいけない。社会的に孤立している。長期の入院者で住居など退院の調整が必要な方。

こころの健康支援室がいったん相談を受け、支援調整会議の結果で対象者を決定し訪問。関係づくりを大切にし、ケースマネジメントを繰り返しながら、生活支援、家族支援、心理支援、医療相談、福祉制度、就労・就学など支援を行う。

2025年度3月の支援登録者は91名。男性49名、女性51名。10~20代32名。30~40代29名。50代23名。60代以上8名。最近は、10~20代が増加、中高生のひきこもりなど依頼が増えている。

アウトリーチ支援の評価について、再入院せず地域生活が継続できている。医療機関と連携し、困難事例の地域生活をめざせるようになった。世帯全体を見渡した支援や環境調整ができる。他機関につなぐハブの役割が果たせている。多職種チームは効率的、効果的と報告されました。

これ以前の記事を見る