2020.08.05
ひきこもりや生きづらさを抱えた人への支援について
引きこもり支援のあり方を学ぶために、同僚のせいの恵子議員と、公益社団法人青少年健康センターをお訪ねし、その取り組みをお聞きしました。同法人は、1988年から30年以上、ひきこもりや発達障害、生きずらさを抱えた方、またその家族の相談やカウンセリング、青少年の居場所づくりに取り組んでいる団体です。
活動された当初は、不登校やひきこもりなど、社会の偏見もあり、ひっそりと活動を続けていたそうです。しかしながら、2000年以降は、その偏見を払拭していこうと、精神科医の斉藤環氏などが講演会やシンポジウムなど、社会的にも発信を続け、
2010年には、内閣府が「子ども・若者育成支援推進法」を制定し、地域、自治体での若者支援への機運が高まる中、2012年年には東京都の登録団体にもなり、官民共同で活動をすすめるようになりました。
2014年には、世田谷区より若者総合支援センターメルクマール世田谷の事業委託を受けて、中高生から39歳までの方を対象にした、相談、訪問事業、居場所支援、家族セミナーなどを実施。
同年、文京区とも協働し、「STEP]ひきこもり等自立支援事業(Support支援、Talk相談、Experience経験、Place居場所)をスタート。文京区では、2019年の8050問題を受けて、今年度2020年度から、対象年齢の制限をとっぱらい、義務教育終了後の全年齢に拡大し、文京区ひきこもり支援センターを開設。
区の関係部署(子ども家庭支援センター、教育センター、保健サービス、自立支援担当など)と支援機関(社協、障害者基幹相談支援センター、高齢者あんしんセンター、ハローワークなど)が連携してサポートする体制をととのえました。
事業に携わっているスタッフの方は「8050問題では、20年以上ひきこもっていたという方も多い。医療、障がい、高齢、くらしなど、様々な機関が連携して対応することになるが、なかなか大変なアプローチになる」
「生きづらさを抱え、支援が必要な方の背景に、精神疾患や発達障害、診断がつかない性格的な傾向や不安が強い方などがある。40歳までのひきこもりが4割とも言われている中、学校を卒業した後も切れ目なくかかわりや支援が受けられる。ひとり一人とのつながり、地域のネットワークをどうつくっていくかが大事になる」と語り、
自治体との連携では、中学校卒業した後のつながりをつくるという点で、教育委員会との連携なしにはすすまないこと。また、10代後半は本人の成長過程からみてもアプローチが難しく、関係性をつくること、居場所づくりのあり方にも課題があると述べられました。
家族を通じての相談で、直接、本人と関係がもてるようになるまで3~4年かかかることも少なくないとのお話も伺い、
ひきこもり支援に向けて、民間の専門の皆さんとも連携しながら、本腰をいれ、予算も確保して、息長く当事者へのかかわりがもてる仕組みを作っていく必要性を痛感しました。 北区での取り組みにもいかしていきたいと思います。