性的同意って何?刑事司法を考える学習会

 ジェンダーオンライン学習会「性的同意って何?刑事司法を考える」を視聴しました。講師は、千葉大学大学院教授の後藤弘子さん!!最初の自己紹介では、「この1週間、性犯罪に関する講演が4つもあった」と。

 その1つが、韓国における性暴力被害の対応を考えるテーマで、最終課題は「同意のない性行為は犯罪」ということ。韓国は日本の植民地だったこともあり、暴行脅迫要件、抗拒不能などの刑法はそのままだが、運動が進んでいて、性暴力被害のワンストップセンターやシェルターが増えている。運動することはとても大事だと感じていると。

 刑法改正にむけ、9月29日、日本学術会議の提言を行った。その中にも「同意のない性的行為は性暴力」と示したが、どうして日本では、この考え、認識が浸透しないのか?と問いかけ。

 ある番組に出演した時、驚いたこと「ホテルに誘う。部屋に行く。性行為を誘うが否定しない。今日は帰りたくないという」これは、どれもみんな同意だと答えていた。勝手にYESと思い込んでいる。いえいえ、これはどれもみんな性的同意ではありません。勝手に思い込むのはNOですときっぱり。

 ここでは2つの大きな問題がある。1つは、権力性についての無理解。

日本では長く男性優位主義、家父長などを背景にした秩序があり、女性は従順であれ、男性をたてろとされ、男性も女性もお互いに内面化していて、女性は支配されてしまう。NOと言いにくい。暗黙の了解の支配があると。

 もう1つは、相手を尊重するコミュニケーションの欠如。

 非言語のコミュニケーションは、一定の関係性がないと成立しない。初対面での職場では、言語的コミュニケーションとても大事。一方的な思い込み、おしつけはありえない。

 また、性暴力と性犯罪について、すべての性暴力は性犯罪であるが、実際には、犯罪としての法的要件、社会的な評価されるためのハードルがとても高い。1番の問題は、刑法の性犯罪規定が、同意を中核としての刑法になっていないことが多くの誤解を生む。何をやってはいけないか、はっきりさせなければならない。

スエーデンでは、行為を行った側の確認を問題にしている。Yes Means Yes。

 同意がすべて。同意は対等な関係を前提としている。権力を持っている側は、同意の必要性を軽く考える。権力性に無自覚である。刑法は対等な関係性を前提としており、そこに実態との齟齬が出ると。性犯罪は権力犯罪。性暴力や女性に対する暴力はジェンダー差別である。

 社会構造としての迎合性を変えていく必要がある。子どもも大人も、ジェンダー平等の教育、一人一人がどうしたいか、何をしたいか、あなたの言うことを尊重する。個人として尊重される。そうした毎日のかかわり、積み重ねの中で、人権意識、自己肯定がつくられていくと話されました。

 お話を伺って、刑法の改正と共に、権力性についての自覚、相手を尊重する対等なコミュニケーションの重要性について、深く学ぶことができました。とても充実した時間となりました。

 

 

 

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