食品ロスをなくすには

北区新生活運動推進協議会が主催した対話集会「食品ロスをなくすためには」が北とぴあで開催され参加しました。

3名のパネリストの皆さんより、それぞれの立場から活動やお話を報告頂きました(以下、要旨)

●はじめは、NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長の鬼沢良子さん

冒頭に「SDGsは誰かの目標ではない。私のあなたの目標です。自分事としてとらえ、毎日のライフスタイルでどう取り組んでいくか考えていきたい」と問題提起されました。

本来、食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」は、現状でどれくらいでているのか?

R元年で、570万トン。(H30年が600万トンで30万トン減)内訳では、事業系が309万トン。家庭からが261万トンと、家庭からの排出も半分も!!国民1人あたりにすると一日約124g。日本国民全員で おむすび1個を毎日捨てているのと同じ。年間でみると一人あたり45㎏にもなる。お金にすると年間6万円捨てる計算に。

なぜ、食品ロスがでてしまうのか?

買いすぎ、まとめ買い、備蓄、賞味期限の誤解(おいしく食べられるめやすであり、期限がきれても食べられるが、捨てられてしまう)皮を厚くむく、食べ残し等など

家庭の食品ロスを削減するために、

・備蓄品のローリングストック(見えるようにして足りなくなったら買い足し)

・分別を徹底し、生ごみの堆肥化(段ボールコンポスト、乾燥させるなど)し、資源循環に

・フードドライブや子ども食堂への寄付 ・地産地消の農産物利用 など、ご紹介されました。

●続いて、北区社会福祉協議会こども支援担当の宮嶋貴道さん は、子ども食堂での取り組みをお話されました。

地域のコミュニケーションの場としても機能している子ども食堂は、全国で5000か所以上、北区でも現在約30カ所で開催され、運営上の課題や活動を円滑に行う話し合いの場として「北区子ども食堂ネットワーク」も作られています。

コロナ禍の下、困窮家庭が顕在化し、食品・食材に困っている家庭も増えています。(北社協でも、コロナ前は高齢者や生きずらさを抱える方、障がいのある方が多かったが、コロナ後はそうした方々に加えて、若者、ひとり親、現役世代で働いていた方、外国籍(難民申請中)の方が増加)

報道などの影響もあり、そうした世帯へ何とか食料を届け、活用してほしいと、企業、個人、町会・自治会などから、食品の寄付が増加しました。2019年 74件 613品だったのが、2020年 204件 9263品へ、約15倍に!!

(現在、保管場所の不足、ストックヤードが課題)

こうした寄付を、子ども食堂やフードパントリー(必要な家庭にお渡しする、北区で現在4団体あり)、生活困窮者支援などで活用中

北社協、北区くらしとしごと相談センターが、この間、対応した福祉資金貸付は、約2万件になっており、窓口に来られる方にも、どうぞ自由にお持ちくださいと案内もしています。

お米、副菜、お菓子、し好品、活用場所やニーズに応じ、好まれる食品が違っているため、ご自宅で眠っている、活用できるものがあれば、まずはご連絡くださいとよびかけがありました。

●最後は、北区生活環境部リサイクル清掃課主査の大村逸平さん

北区は、2021年6月、「ゼロカーボンシティ北区」を宣言し、ごみの減量、食品ロスにも取り組んでいます。現在、

町会、自治会を中心に、区民向けで出張講座でお話している食品ロスの内容について、お話してくれました。

北区における一日の食品ロス量は、令和元年度調査で、6.3トン。キャベツで5250玉、りんごで21000個にもなる!!

今年10月に策定した「北区食品ロス削減推進計画」では、区民1人当たりの食品ロス量を、令和元年度17.9gから令和8年度15.4gに、2.5g減(14%)削減することが目標となりました。

そのために、、、、

①賞味期限を正しく理解する(賞味期限は美味しく食べられる期限、消費期限は食べても安全な期限)「手前どり」買ってすぐ食べる時は、棚の前からとる。②買い過ぎない(必要な食品だけ買う)③食材は、残さず使い切る(東京家政大学と連携し、リデユースクッキングレシピ・生ごみ削減レシピを作成・普及)

また、北区として令和3年7月より、家庭の未利用食品を持ち寄り、子ども食堂などへ提供する「フードドライブ」への食品提供をスタートさせました。

7~10月で、316点、185、9㎏の協力がありました(その分、可燃ごみにならずに救えたことにもなります)

対象食品は、賞味期限まで2か月以上あり、未開封で、常温保存が可能な食品(缶詰、レトルト、インスタント食品、調味料、乾麺、米、お菓子、飲料、乳幼児食品など)

富士見エコー広場館や北区清掃事務所の区内2カ所が常設受付、環境展や消費生活展などのイベントでも受付中とご案内がありました。

北区では、令和4年10月から、滝野川地区をモデルに「プラスティックのリサイクル」がスタートします。王子、赤羽地区は、令和5年4月から。脱炭素社会の実現にむけ、スピードをあげての取り組みが求められています。

北区ではじまったフードドライブ、今年7~10月に、区民からご協力頂いた食品の実績

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