2022.02.16
福祉のまちづくりを考える、北区タウンミーティング
2月16日、東京都生協連主催による「北区タウンミーティング」が、ZOOm形式で行われ、私も参加しました。
テーマは、コロナ禍の下で拡がっている孤立・孤独や生活困窮に対し、どんな地域づくりをすすめていくのかを考えあう内容です。北区や社会福祉協議会、区民による「子ども食堂ネットワーク」の方など、それぞれの報告を伺い、グループミーティングで交流する流れとなりました。
●最初の報告者は、北区生活福祉課生活支援係長の高橋さん。
生活困窮者自立支援法にもとづく①自立支援金の支給や、②母子・父子福祉資金の貸付、③ひきこもり対策について、北区の取り組みを報告。「困ったら一人で悩まず、区役所などにご相談ください」大事なことですので繰り返します!と、2回よびかけられました。(その姿勢が嬉しい!!)
●続いて、北区社会福祉協議会の生活困窮者自立支援係長の上田さん。
生活困窮者とは、生きづらさを抱え、生活する上での困りごとを抱えている人と捉えている。キーワードは、「生きづらさ」マイノリティな特性や精神的な問題を抱えている人が多いが、それは、社会のあり方、効率性が重視されたり、人に迷惑をかけるな等が問われているのではないか。と問題提起されました。(ホントにそうだなあと共感)
社協はこの間、コロナ禍での緊急小口資金や総合支援貸付などの相談、申請窓口になっているが、のべ12000件の申請があったこと。その中で、外国籍の方が3割、女性や若者も増えていることを紹介。生活困窮者の自立と尊厳の確保と共に、そうした方々が、社会参加できる「地域づくり」をすすめていきたい。多様性を認めあう社会をつくっていきたいと報告されました。
●次に、北区子ども未来課次世代育成係の杉田さん。
北区ですすめているひとり親家庭支援について、①そら豆相談室の取り組み、②生活支援講習会などについて報告。そら豆相談室の相談実績では、離婚前の方も多く、相談員にはカウンセラーや弁護士、ファイナンシャルプランナーをそろえ、対面、電話、オンライン相談も行っていること。相談ケースの中には、DVと思われる場合もあり、スペースゆう(DV相談)などと連携し対応している様子も紹介されました。(具体的な相談内容、解決状況がわかりやすく伝えられ、胸にせまりました)
②の講習会については、ひとり親どうしお互いの悩みを打ち明け、相談し合う。出会い、励まし、つながる交流会の様子も報告され(温かい気持ちになりました)
●続いては、北区子ども食堂ネットワーク世話人の坪井さんと我妻さんの報告です。
坪井さんからは、北区で30カ所に拡がった子ども食堂がネットワークを組み、社会福祉協議会と共に、定例ミーティングを開催、活動交流や食品の分配会を行っている様子や、ご自身が代表となっている「子ども食堂キタクマ」のコロナ禍での様子について、活動拠点であるココキタ(区施設)での食堂形態ができない下で、弁当配食会に切り替え、それまで80食だったものが、250~300食にまで利用者が増えていること。食品だけでなく、古着や日用品の寄付も増えているが、ひきとりも多く、なくなってしまう様子が紹介されました。
また、家庭状況をできるだけ把握しながらの活動で、19歳以上の困難を抱えている家族や、就労困難を抱えた若者への支援の必要性を感じていること、子ども食堂(キタクマ)がたくさんの人に認知されてきたが、丁寧なコミュニケーションを行って理解をすすめていきたいとお話がありました。(私自身の相談事例と重なるところがあり、とても共感しました)
我妻さんからは、自身が代表となっている「子ども食堂COCOROごはん」の取り組みが、子どもとのかかわりの中で、学習支援や宿泊支援(子どもシェルター的な)の活動にも拡げてきていること。コロナ禍での臨時休校時、また、夏休みや冬休み等の長期休暇の間、学童クラブに行っていない子どもの中で、子ども同士、親同士のつながりや食の支援などが求められ活動してきたこと。今、コロナ感染第6波の中で、保育園、学校での感染が拡がり、学級、学年、学校の休校にも対応したお弁当配布も行っていることが報告されました。
人との接触をさけるコロナ禍であるが、それにより、孤立・孤独が拡がっていく。そんな時だからこそ、つながる手段が必要だ。そのひとつが「子ども食堂」ではないか。地域からの寄付が増加しており、フードパントリーや居場所にもなっている。学校や家庭以外の第3の場所として位置づく必要があるーとのお話は(大変、心に響きました)
北区子ども食堂ネットワーク (kodomo-shokudo.net)
●最後に、社会福祉協議会の小原さんから、
北区はもともと地域での支えあいや地域の協力が厚い地域で、高齢者の食事会やサロンも200か所以上あるが、一方で、ひとり親家庭など、まだまだ地域とのつながりがもてていない。自立と尊厳を守りながら、福祉のまちづくり、排除しない、地域共生社会をつくっていきたい。障がいがある人、困窮する人がケアされるだけでなく、主体となって社会参加できる取り組みをすすめたい。生協は共助の代表格、期待したい。とまとめがありました。
それぞれの報告を伺い、大変、感銘を受けました。公助をしっかりと充実していくと共に、一人一人が主体となって、共に生きる。多様性を認め合う北区をつくっていくために、地域の皆さんと力をあわせていきたいとの思いが膨らみました。