ウクライナ情勢「緊急学習会」

 私も参加している、ウクライナに平和を!市民と議員の緊急行動による「緊急学習会」をZOOM視聴しました。

 ウクライナ情勢について~軍需産業と金融機関、投資家から見たリアル~と題し、元自衛官レンジャー部隊の井筒高雄さん(ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン共同代表)が講演。

 戦争・紛争と結びつき、利益をあげる軍需産業の存在や、そこに投資する金融機関、また、政治との関連について、私たちが考えなければならない課題を鋭く提起して頂きました。以下、お話の概要を報告します。

●ウクライナ侵略について、

 ロシアは侵攻する前、軍備増強と言いながら、国境線までどんどん演習をすすめ拡大していった。そして、軍事侵攻へ。国連憲章2条(武力による威嚇・武力行使の禁止)に違反している。

 ロシアの言い分は、国連憲章51条を持ちだしている。

 同盟国が他国から攻撃されたら、自国への攻撃とみなす集団的自衛権の行使であり、(同盟国とは「ドネツク人民共和国やルグンスク人民共和国」ロシアが一方的に独立を承認したもの。国際社会からは批難されている)認められると。

 集団的自衛権の行使は、2001年NATOによるアフガニスタンへの侵攻、2003年アメリカのイラク侵攻など、みんなやっているではないか!と。

 DVと同じ、力の行使。やってしまったら、民主主義や自由は担保されず、市民のくらしが壊される。日本でもそうした事態に対し、どう向き合うべきか?問われている。

  • 軍事産業について (ICANやピースボートの調査)では、

 世界には20の核兵器産業・企業があり、329か所の金融機関は、2014年~2017年で、約55兆円の資金を提供している。

 日本は、憲法9条があり、武器輸出はしないといいながら、日本の金融機関や投資家は、軍需産業・企業に投資している。7銀行(三菱UFJ、みずほ、三井住友、野村、オリックスコーポレーション、三井住友ファイナンシャル、三井住友トラスト)が、2兆円。ロッキードマーチン、ボーイング(大陸弾道ミサイル)などへ投資。

 2019年、巨大武器ビジネスの闇がドキュメンタリー映画に。政治をコントロールし、戦争が続く限り、軍需産業が続き、利益をあげる産業が大きくなる。

 戦争はパンドラの箱。始まる前はコントロールできるが、一度、始まってしまうとコントロールが難しい。(アフガニスタン侵攻も20年もかかった)

 どれだけ軍事力やお金をつぎこもうが、力でねじふせることで平和はつくれないということ。政治マフィアや政治家がつながって、利益を維持するために、紛争が必要。

  • 投資家のリアル

 日経新聞2月28日付け、軍需産業の投資が増加。

 欧米が、ウクライナへの武器供与・支援。兼松製作所(防塵マスク)4%高、東京計器(船舶、航空)3%高、三菱重工(戦車や戦闘機)2%高に。戦争でも儲けたいから投資するーのはやめさせよう。願わくば、日本の金融機関や投資家は、軍需産業への資金投資をやめるべき。大手銀行の預金を地方銀行などに切り替え、投資するなとプレッシャーが必要。

  • 武器供与とは、武器輸出である(防弾チョッキは、武器供用)

 殺傷能力がないから、問題がないのではない。ダウンジャケットと違う。防弾チョッキであっても、戦争に加担することになる。

 日本政府も、2014年「紛争当事国」に対する防衛装備品の供与を禁じている。が、今回は、紛争関連の安保理決議を受けていないから、対象外と理由づけしている。

 国際法では市民を殺したらアウト。軍事裁判で裁かれる。今は無差別攻撃の状態。防弾チョッキは市民が着るものではない。防弾チョッキを送ることをどう判断するかはロシア。甘く考えない方がいい。戦場のリアルをわかっていない。

  • 東アジアの安全保障と、停戦合意

 2019年度の自衛隊は、隊員数24万7117人。防衛費はH31年度、5兆円。

 中国の防衛力は日本の何倍もある。日本が仮に本当に中国と闘わなければならなくなった時、とても自衛隊だけで戦えない。徴兵制も必要になる。台湾有事や南西諸島で挑発してどうするのか?

 テロ国家になったロシアは、歯止めがきかない。人間性がどんどん壊され、核もおしてしまえとならないとも限らない。

 今、必要なことは、一刻も早く、停戦合意にこぎつけることが重要。

 人道回廊も、当事者間ではなく、本来は第3者が立ち会って対応しなければならない。

 核も使わせない。原発も攻撃させないと、アメリカも中国と共に、停戦合意の道筋をつくることに力をあわせるべき。日本は、尖閣諸島の問題も含め、日中友好条約の初心にもとづき、仲介役をになうべきではないか。

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