プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025

 プラスチック汚染や気候変動問題の解決のためには、大量生産・大量消費・大量廃棄などの社会のあり方そのものを根本的に見直すことが欠かせないと言われています。

 その方法のひとつとして「サーキュラー・エコノミー」が注目を集めています。

 それは、製品やサービスを設計する段階から、新たな資源の投入や廃棄をできるだけゼロに近づけるようデザインした上で、回収・リユース・リサイクルの推進等によって、限りある資源を永く循環させながら使い続け、廃棄物をゼロに近づけていく社会経済のしくみです。(4月1日に施行となった「プラスチック資源循環法」も、サーキュラー・エコノミーへの移行を目指しています)

 6月29日、SHIBUYA QWSにて、WWFジャパン(人と自然が調和して生きられる未来をめざして世界100か国以上で活動している環境保全団体WWFの日本での設立団体)が、SDGs14ターゲット1「2025年までに、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」を視野に入れ「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025」を立ち上げ、取り組んできた企業の発表会があり、私も聴講してきました。

 「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025」の5つのコミットメント(社会への公約)は以下の内容です。

?問題のあるもの、及び必ずしも必要のないものの使用を取り止める。代替素材への切り替えの際は、
その持続可能性を十分考慮する
? 可能な限り、リユース (他の素材のリユースを含む) へと切り替える
? 可能な限り、リユース、リサイクル可能なデザインとする
? リサイクル素材の意欲的な使用目標を設定する
? リユース、リサイクル率を向上させるためにステークホルダーと協力する

以下10の参加企業がそれぞれ、自社の取り組みを発表されました。

1、サントリーホールディングス(ペットボトルの軽量化や、2030年までに素材を植物由来に、石油原料をゼロにしたい)

2、日本コカ・コーラ(2030年までに全てのペットボトルを100%リサイクルRET素材化、植物由来に切り換える)

3、キリンホールディングス(リユース・リサイクル率を向上させるために、ドラッグストアなどでのいつでも回収、鉄道業者と共同した回収スキームを進める)

4、ネスレ日本(キットカットやペットフードの素材をプラから紙に代替え)

5、ニッスイ(食品のプラ容器包装を2030年までに30%削減。鮮魚などの発砲スチロールを他へ代替)

6、資生堂(つめかえ、つけかえ製品で容器を繰り返し使用。70~80%プラ排出削減)

7、ライオン(詰め替え容器により、70%削減してきている。日本のもともとのつめかえ文化普及を)

8、ユニ・チャーム(紙おむつ、紙ナプキンをリサイクル素材へ。現在、鹿児島県の志布市や大崎町などをモデルに紙おむつの回収を行い、原材料へリサイクルに取り組んでいる)

9、JAL(マドラーやコップの蓋を紙に。プラを31トン削減。機内食のプラを紙へなど、計175トン石油由来を削減)

10、ウーバーイーツ(プラ容器包装をリサイクルやリユース素材へ、専門のポータルサイトを開始)

11、江崎グリコ(ワンウエイプラスチックを25%削減しようと、学童用の牛乳からストーローをなくしていく。その際は、ストローレスを進めるための教育の重視。学校との丁寧なコミュニケーションをとりながらすすめた)

日本初の2025年に向けた共同コミットメント!WWFジャパン「プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025」 |WWFジャパン

 プラスチックごみをなくしていくために、各企業が取り組んでいる状況をうかがうことができ、大変勉強になりました。こうした取りみが企業活動全体に、更に拡がっていくことが重要ではないか。

 北区においても、今年度から小・中学校での給食に出される牛乳(メグミルク)のストローレスが、学校の状況にあわせて(子ども達への環境教育や食育、低学年だとストローなしで飲みにくいので徐々に等)始まっています。

 製品を購入する消費者や行政の側も、環境にやさしい製品を選択し、リユースやリサイクルについての企業の取り組みや自身の暮らしの改善となるよう環境教育、啓発活動とあわせた取り組みがますます大事と感じました。

 

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