2024.03.27
物価高騰から、区民のくらし・営業を守る政治をー党区議団、新社会党、れいわが共同で予算組替え提案
3月27日(水)北区議会最終本会議にて、新年度の一般会計予算ならびに特別会計予算(国保、後期高齢、介護)が賛成多数(反対は、日本共産党北区議員団、新社会党、れいわ)で可決しました。
日本共産党区議団は、新社会議員、れいわ新選組議員と共同で、一般会計予算の組み替え動議を提案し、山崎たい子議員が提出議員を代表して「提案理由の説明」を行いました。
私は「第26号議案 令和6年度東京都北区一般会計」の組み替えを求める動議について、れいわ新選組所属佐藤つかさ議員、新社会党所属福田光一議員および、日本共産党北区議員団7名の提出議員を代表し、提案理由の説明を致します。
区民のくらしと営業は異常円安も手伝っての物価高騰が続く中、いまだ困難な状況が続いています。北区の新年度予算では、子どものいる世帯への経済的支援やプレミアム付き区内共通商品券の拡充など、くらしと営業を支える支援が一部もりこまれてはおりますが、子どものいない世帯、とりわけ単身世帯や非正規雇用、低・中所得層、中小業者などへの直接支援はいまだ不十分にとどまっています。
更に、区民のくらしの窮状をみるならば、社会保険料などの負担増は回避しなければなりません。
いま、区民の中に、政治家の裏金問題が大きな政治不信となって拡がっています納税への信頼も大きく損なうものです。今こそ、企業団体献金の禁止、大企業や富裕層への優遇税制を改め、消費税の減税、中小業者への直接支援と賃金引上げ、社会保障の拡充を、国そして北区もあげて、全力でとりくむことが必要と考えます。
コロナ禍、物価高にあっても積み上がってきた北区の財政調整基金の一部34億3千万円を活用し、さらなるくらし応援の予算組替えを求めます。その項目については既に文書でお示しのとおりですが、事業の内容を紹介し、提案理由の説明と致します。
ア、北区独自の物価対策臨時給付金の支給では、
①課税世帯による扶養非課税者や家計急変世帯に7万円を給付するため、1億7500万円
②課税標準額200万円以下の納税者に、2万円を追加支給するため、20億円
③介護従事者へ3万円を給付するため、2億1000万円
④障害者サービス従事者へ3万円を給付するため、9000万円
⑤会計年度任用職員へ3万円を給付するため、6000万円
⑥中小事業者向けの直接支援を実施するため、3億円
イ、住宅への支援では、
⑦非正規雇用や住宅確保要配慮者などへの家賃補助制度創出で、6500万円
ウ、教育費の負担軽減では、
⑧区立小中学校の学用品を所得制限なしで全額無償化するため、4億4500万円
⑨生活保護世帯の大学生等へ50万円の給付型奨学金を実施するため2000万円
エ、国民健康保険料の負担軽減では、
⑩18歳までの均等割5割軽減手当を実施するため、6500万円であります。
以上、議場の皆様のご賛同を心からお願いし、提案理由の説明といたします。
組み替え動議に対する党区議団の賛成討論の内容は、以下のとおりです。
「第26号議案令和6年度東京都北区一般会計予算」の組み替えを求める動議に対する賛成討論。
第1に物価高騰対策臨時給付金の支給について6事業です。
現在、国において非課税世帯相当までの給付金の支給、および今後、定額減税の実施がみこまれておりますが、家計急変世帯や課税者に扶養されている収入が少ない非課税者は、実態によっては救済からもれる可能性があります。北区自身もそうした区民に対し、北区独自給付の実績を持っており、今回も行うべきです。
また、納税者への追加給付では、課税標準額200万以下で納税者の半分、約10万人は年収でみると世帯で400万円程度、そのうち半分の約5万人は、課税標準額100万円以下で、年収で見ると単身者で200万円程度であり、非正規雇用や年金生活者などの方々にあたります。
国の定額減税は、年収が200万円でも1000万円でも1人4万円の減税であり、非課税世帯相当への10万円給付と比較しても、低・中所得層への上乗せを実施すべきではないでしょうか。
さらに、高齢者や障害者の介護従事者への給付については、給与が全産業の平均に比べて月額7万円も低く、コロナ禍においては、北区独自の慰労金としても支給実績があります。会計年度任用職員においては、公務職場からワーキングプアをなくしていくために北区が率先してできる施策です。いずれも多くは女性が担っている職場であり、男女の賃金格差を是正する観点からも意義があります。
中小企業者への直接支援については、杉並区、新宿区で実施している施策を参考としています。
第2に、家賃補助制度については、北区の新年度予算における住宅セーフティネット法にもとづく4万円の家賃軽減住宅が5戸と少ない一方で、区営住宅の応募者数は年間200世帯を超えている実情からみても切実です。
第3に、教育費の負担軽減では、品川区や世田谷区で新年度の新規事業として踏み出したものですが、同様に北区で実施した場合の経費では、新年度予算には未計上で、今後歳入が見込まれる東京都による学校給食費保護者負担軽減のための2分の1の補助額と同程度で実施可能なものです。
第4に、国民健康保険料の18歳までの均等割5割減額は、区長会としてもその実現を国に提言しているものですが、費用としては6500万円であり地方自治体が先行して負担を軽減し、迫力をもって国にせまるべきです。
最後に組み替えに必要な財政調整基金34億円余の活用について申し上げます。
北区の財政運営の実績では、財政調整基金は当初予算案で示された年度末残高と最終の年度末残高を比較すると、令和3年度で72億円、令和4年度では61億円、令和5年度は47億円(今年度については、年度末に、施設建設基金とサポーター 基金への計19億円の積み増しなければ、66億円となっていたもの)であり、結果として財政調整基金はコロナ禍、物価高にもかかわらず過去最高規模が続き、今年度末でも198億円余にまで積み上がりました。
また、東京都からの特別区交付金も、年度末での追加交付が最低でも15億円、令和4年度では31億円となりました。更に、新年度予算案には計上されていない、学校給食費や自治体DXの標準化システム導入にかかわる国や東京都からの補助金が、現時点でも約17億円あることが明らかになりました。
こうした状況を総合的に勘案しても、更なる財調基金の一部活用により、区財政が危機に陥ることにはならないどころか、区民のくらしや中小企業への直接支援として振り向けることにより、地域での消費、経済活性化につながる好循環を生みだし、ひいては区財政への収入となってくることにもつながるものです。
以上、組み替え動議の積極的な意義を述べさせて頂きました。
採決では、自民・公明・維新などの反対多数で、組み替え動議は否決となりました。