2024.08.04
包括的性教育をたしかなもにに~人権をよりどころに現実を変えていく学びを深めよう~
8月3日(土)~4日(日)第43回全国夏季セミナー東海大会IN静岡の研修会に参加しました。今年の会場は、静岡市東部勤労者福祉センター。
一日目は、朝日新聞編集委員の大久保真紀氏が記念講演。
「包括的性教育を受けていたら~被害者、加害者を取材して~と題し、2019年から取材を続け、連載してきた「子どもへの性暴力」シリーズについて、子ども達当事者や加害者のリアルな体験や声をお話頂きました。
子ども達は、親や兄弟、子ども同士、先生など身近な人間関係の中で性被害を体験をするが、自分が何をされているのかわからない、気がついた時には共犯者のような感覚、強い自己否定、自分が悪かったと自責の念にかられ、普通に生活していくことや生きていくことに大きな失望を感じながら過ごさなければならない状況となると強調。
あらためて性暴力被害は、一人ひとりのいのちや人権、人生を壊してしまう、大きなダメージを与えるものであり、社会的な損失も大きいということを痛感しました。
更に大久保氏は「加害者も、もともといじめや差別にあっていたり被害者であることが多い。認知のゆがみがある」と。
もっと小さいうちに包括的性教育を受けていたら、被害、加害を小さくできたのではないか。「性的同意」を共通認識に人権教育としての包括的性教育がとても重要と強調し、私自身も強く共感しました。
シンポジウムでは、千葉の私立学校でからだの権利教育に取り組んでいる河合さんと、静岡で学校の外部講師として性教育に取り組んでいる産婦人科医の宮本さんが、それぞれの実践を紹介。
河合さんは「保護者も知りたいというニーズがあり、保護者向けの講座が反応良い」「中学生とサロンという形で自由に話せる場をつくり、夏休みは恋愛について話した時、性のことを率直に吐露する場面も。今、欲しい人に届く言葉で、一緒に学び合う時間も大事」と語り、
宮本さんは、「スポーツDrとして思春期スポーツ外来に取り組んでいる。スポーツと月経など、婦人科には行きにくいがハードルを下げる効果あり。やっている内容は変わらない。自分の身体は自分のもの。身体をしることは自分を知ることというSRHRの啓発。
まちなか図書館とコラボで、性教育イベント「ユースウイーク」を開催し、とても好評だった。
ユースクリニックも開業し、他職種連携で取り組みたい」と語りました。
お二人の話を聞いて、包括的性教育は縁遠いものではなく、それぞれの現場で工夫しながら取り組んでいける。身近で親しみやすいものにできるといいなあとワクワク感を覚えました。
2日目の「恋愛とデートDV」の模擬授業では、英語の教科を持っている先生が、学活の時間を通して、中学生に行っている授業を生徒として模擬体験。
「恋愛と暴力は紙一重?」「愛があったら、一方的に相手に求めていいのか」「自分も相手も尊重するってどういうこと?」「安心できる関係とは?」「困った時にはどうしたらいいの」など、グループワークで他の方の意見も聞きながら深めていきます。
友人などから相談された時の適切なアドバイスとして、1、デートDVの気づき、2、恋愛の思い込みの改善(男だから、女だからなどのジェンダーバイアス)3、何があっても暴力はいけない(気持ちに寄り添いながらも、、)4、話し合いをする。5、相談をする(自治体のパンフレットなども紹介)5つの視点が紹介されました。
私自身も、自分と人との関係性は対等な関係なのか?支配はないか?等、みつめなおす良い機会となりました。