荒川氾濫(大規模水害)を想定した初の福祉避難所の開設訓練

 10月27日(日)北区特別養護老人ホーム「赤羽北さくら荘」にて、大規模水害を想定した福祉避難所の開設訓練が実施されました。

 北区では現在、大規模水害時において、避難することが大変な要支援者の方を対象に、R5年度から、個別避難計画を策定しています。

 今回の訓練は、その中で「福祉避難所」赤羽北さくら荘に、避難すると定められている人を受け入れるための施設職員と区職員によるはじめての訓練となりました。区内の福祉避難所関係者および、区議会防災対策委員会委員有志も見学で参加。

 1つめの開設準備訓練では、北区災害対策本部から福祉避難所開設決定の連絡を受け、北区職員も施設に派遣。施設内の福祉避難所として利用できるスペースや立ち入り禁止場所の確認。施設職員と避難者の受け入れ手順の確認などを実際に実演。その後、チームに分かれて、段ボールベットやプライバシー確保のパーテーション、マットなどの組み立ても実技。

 2つめの避難者の受け入れ訓練では、要支援者と同伴家族がタクシーでくる避難者A、リフト付き福祉車両で避難するBの場合を想定し、北区職員と施設職員が連携して、受付と介護のニーズ調査の確認、災害対策福祉部に避難者の受け入れ報告などが実演されました。

 訓練を見学させて頂き、実演をしなければ気がつかないこと、気づけることが多くあり、また、関係者で力をあわせて訓練することで結束力も高まることを実感しました。

 また感想や課題と感じた点は、1、施設に配備している段ボールベットやパーテーション、ジョイントマットの組み立てを事前に習得しておくことの大切さ。更には安定性や安全性の確認と改善が必要。2、計画では10組20名程度を施設で受け入れることになっているが、福祉避難所スペースをどのように使っていくかのイメージが必要であること。3、避難してくる方が定められている要支援者であり、個人情報の配慮を行いながら事前に情報の共有化ができないか。4、当事者も自ら行ける福祉避難所に、実際に来てみることで、より課題がリアルになるのでは。5、実際に避難してくる方は、要介護3以上の方々であり、車いすやストレッチャーなどが想定され、床下マットでの移動や介助はハードルが高いのではないか。6、避難者は自分の水、食料3日分を持参するとのことであるが、一定の量を持ち込む際の現実的な対応や必要な私物の持ち込みについての確認も必要などです。

 とても学びの多い訓練であり、日々の施設運営の傍ら、準備をされた施設職員や区職員の皆さんに、改めて敬意と感謝の気持ちがわきました。

 

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