DV被害者支援としての加害者プログラム

 11月24日(日)全国シェルターシンポジウム2日目は「被害者支援としての加害者プログラム」についての分科会に参加し、長年、加害者対策に関わってきた識者の方より、以下の学びをえました。

 諸外国では、DV被害者支援のためには、加害者を非暴力にするための加害者対策が必須となっているが、日本では現状、加害者はほとんど放置されており、諸外国と比べて、その対策が30年以上遅れていると言われている。

 DVはジェンダーにもとづく暴力であり、男性中心社会が生み出す構造的な暴力「力と支配」である。DVは家父長制の中で、女性にケア役割を押しつける中で、家中心主義、戸籍筆頭者、世帯主、家長など男性特権のジェンダー規範のシャワーを浴び続ける中で学んだこと。

 身につけた価値観が問題であり、学び落として、学び直す教育としてのプログラムが必要である。

日本においては、2019年に内閣府が加害者教育の検討し、2020年施行実施。2022年には東京都が実施。2023年、国が地方自治体に向けて、実施のための「留意事項」を示したが、留意事項では、任意参加を対象としており、多くの加害者は対象にならない。ジェンダーにもとづく暴力の言葉がない。内容が不明瞭などの課題がある。

 DV被害者の70%は、別れていない現状がある。背景には、経済的な困窮や子どものことを考えてなどが多い。その他、相手を犯罪者にしたいわけではない。気づいてほしい。誰かが介入し支援してほしいなどの気持ちを持っている。

 こうした状況からみても、今後のDV防止法改正にむけては、3つめの保護命令として「加害者プログラム受講命令」が必要ではないか。面会交流について、離婚後の共同親権が法律となった以上、子どもに会いたい、親権が欲しければ「DV加害者プログラムを受けて、安全な親であることの証明」が必要ではないか。

 

これ以前の記事を見る