障がい者入所施設を視察

 国の障がい者入所施設削減方針のなか、今年4月に新規開設を果たした入所施設が川口市にあると聞き、同僚のせいの恵子議員と視察にうかがいました。

 その施設は、みぬま福祉会の「障害者支援施設はれ」です。定員40人で全室個室。1ユニット6~7人の少人数で生活。障害にあわせ、車いすの方、行動障害がある方、男女別、組み合わせなどを考え、6ユニットで構成。

 それぞれのユニットには、キッチン、ダイニング、リビング、浴室、トイレ、洗面所、洗濯場が設けられ、個性あるプライベート空間と、ゆったりとした明るい木調の憩いの空間が確保されていました。

 入所者は男性26人。女性14人。平均年齢は39歳とのこと。40名の定員に200人を超える方が応募されたとのことで、ニーズの高さと切実さが痛いほど伝わってきました。

 施設を見学中、入所されている皆さんは、日中の活動へそれぞれ外出中。入所施設と併設している生活介護施設(定員40人)や、近くに法人が運営している生活介護施設や工房で過ごし、夕方になって、入所施設に帰ってきます。

 施設見学の後、ご家族の皆さんと懇談の機会を頂きました。「ロングショートという言葉をご存じですか?家族の病気や死亡などで、障害のある子どもが家で暮らせなくなり、ショートスティを長期に渡り続ける状態のことです。その生活で体調を壊したり、亡くなった方もいます。」

 「親が介護できなくなるまで一緒に暮らし、どうしようもなくなって施設ではなく、青年期の自立を支援する。青年期になると子ども自身も親から離れたいと思うのは当たり前のこと。地域の中に、入所機能を備えた生活支援の拠点が必要」

「障害が重い状態でも、安心して暮らせるのは、専門性のある職員配置が行える入所施設」「何度も国や県、市に交渉にでかけ、議会にも意見書をあげてもらい、知事も入所施設を整備していきたいと答弁。必要性を訴え続け重い扉をこじあけました」

  親御さん達の取り組んできた運動に圧倒され、その力強いお話が胸に響きました。北区でも何としても、同じ思いをされている家族や当事者のご要望に応え、重い障害があっても地域で生活できるように、地域の中に入所施設やグループホーム、ショートスティ、生活介護の増設など施策拡充をすすめたい。

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