2025.11.22
気候危機対策~多摩市の取り組みに学ぶ~
11月21日、多摩市の気候危機対策の取り組みについて、1つは非課税世帯等へのエアコン設置助成。2つは、気候市民会議の取り組みについて、阿部裕行多摩市長からお話頂く学習会に参加しました。
今、世界は「地球沸騰の時代」単年度で気温上昇が1.5℃を上回り、国連グテイレス総長が「指導者たちは今すぐ行動をおこなさねればならない」との警笛を発しています。
多摩市では猛暑の中、市民の命を守るため今年3月に、市民のエアコン設置助成を予算化しました。
その内容は、非課税世帯および均等割のみ課税世帯でエアコンがない、壊れている、もしくは2010年以前に購入したエアコンの購入・設置に対し、上限10万円を助成するものです。
手持ち金がない、申請が難しい人を対象に、エアコンを販売する協力事業者が本人に代わって申請、受領する「事業者代理受領」のしくみもつくり、地元の市内電気店や事業者からエアコンを購入することで、地域でお金がまわる循環型の制度設計にしました。
当初300世帯を対象にしたが、3週間で500件の申し込みがあり、900世帯に拡大して実施することに。(600世帯分は一般財源で対応)実績は839件。内訳は、エアコン未設置が128件(17%)、故障25件(3%)、15年経過のエアコン593件(80%)との結果で、古いエアコンを大事に使っており、電気代を抑制できる買い替えのニーズにもフィットする施策となりました。
東京都のゼロエミポイントは、8月31日からスタートしたが、環境性能3以上と一定レベルのエアコンのため費用も高く、都の8万円の値引きがあったとしても一時的な自己負担ができず購入できないとの声もある中、
多摩市の施策は低所得世帯のいのちをまもるエアコン設置に対し、まさにかゆいところに手が届く、更には地元業者の経済活性化にもつながる制度設計になっていてすばらしいと感じました。
2つめの、気候市民会議については、市民一人一人が当事者として、脱炭素社会に取り組む市民からの提言、提案を重ね、行動変容へのフィールドとするものです。
メンバーは中学・高校・大学生の若い世代の比率を高くし、若者会議とリンクして、若い世代が中高生をフォローできる関係性もつくりながらすすめているとのこと。
市が、地域や学校、企業などで実践されている持続可能なライフスタイルや環境に優しい取り組みを募集し、事業者・個人・団体を表彰することで、環境に対する意識啓発や行動につなげていく市気候非常事態宣言を市民と協働で進めていくための事業「TAMAサスティナブル・アワード」にも活かされているとのことでした。
その他、環境省の再エネ・省エネ重点対策加速事業を都内初の取り組み、マイクロプラスティック防止のため、テニスコート砂入り人工芝におけるマイクロプラスティック流出抑制ガイドラインの作成、ペットボトルの水平リサイクルによる排出抑制、ESD(education for sustainable)教育の推進と積極的に取り組まれている内容をうかがいました。北区の取り組みにも活かしてきたいと思います。

