2019.10.29
認知症に対する取り組みを視察
健康福祉員会視察の2日目は、和歌山県御坊市を訪問。テーマは認知症に対する取り組みです。
御坊市では認知症の方への個別支援のまちづくりが評価され、H30年、NHKの認知症にやさしいまち大賞を受賞。 翌年、「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」を制定し、認知症になっても安心して希望をもって生きられるまちをつくるとした。
その条例に、全国で初めて「認知症の人の役割」を明記。自らの希望や思いを身近な人、市や関係者に発信する、地域社会の一員として社会参加することを位置づけました。それは、お世話される立場から、本人が主体となり、地域でともに生きていく仲間として位置づける(条例の名前にも反映している)という考えに、大変、感銘を受けました。
その姿勢は、条例をつくる過程にも示されており、条例制定をすすめるワーキング会議には、医療機関や介護事業所などの専門職だけでなく、当事者本人やパートナーも参加。
行政職では、担当セクションの他、企画課や総務課の職員も加え、当事者の意思や言葉、「当事者の言葉を奪わないで」「困ったことはと聞かれても答えられない。どんなくらしをしたいのか、一緒に考えてほしい」との思いを、条例に反映できるようにした点もすばらしいと感じました。
条例の中で、市の責務は「市民、事業者、関係機関と連携し、認知症の人の声に耳を傾け、その人とともにより良いまちづくりを不断にめざす」としています。
それを実現する推進体制として3つ、1、専門家集団、2、条例制定のプロジェクトメンバーとしてのワーキング会議を、制定後も協議会に発展。3、庁内に認知症施策推進庁内連絡会議を設置し、すべての部署から1名づつ、部課長以外の若手を中心に、全庁挙げてより良い地域をつくっていくとし、市民とともに取り組む姿勢が示されていると感じました。
北区でも、認知症コーディネーターの育成、認知症カフェの開催、認知症予防のケアパスなど、当事者や家族を支える支援を整備してきたが、当事者本人の視点、共に生きるという視点で、これまでの事業内容を見直し、バージョンアップできると良いのではないかと考えました。