都市ブランド推進委員会視察2

 昨日の恵那市に続き、本日は岐阜県岐阜市での調査です。両自治体の大河ドラマ館の調査により、県をあげての取り組み、県からの補助金もあり、改めて、NHK大河ドラマと地方、地域のまちおこし、観光、活性化が大きく結びついていることを感じました。

 岐阜市の大河ドラマ館の内容、コンセプトは、そもそも織田信長推しの自治体であり、大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀と織田信長、斎藤道三の関係性の中で、重層的にシティプロモーションにつなげていくこと。展示内容にもそうしたコンセプトが生かされ、更に、観光ボランティアやガイド、ポスターなど、市民や子ども達の参加も工夫されていました。

 また、大河ドラマ館の施設は、金華山ロープウエイともつながっている岐阜公園の一角にある、岐阜市歴史博物館を活用し、既存展示物を移動させ、終了後には復元するように対応していた。(その予算は、5000万円を超える) 

 博物館法により、館内での飲食などができないため、施設エントランス付近の別棟の仮設お土産・飲食店舗を設置する工夫が行われていました。北区においては、飛鳥山公園内の渋沢資料館を、大河ドラマ館として活用していくことが検討されているが、公園の活用、仮店舗スペースなどの岐阜市の対応も参考になるのではと感じた。

 また、団体客の観光バス駐車場の対応は、恵那市同様、岐阜市においても課題となり、岐阜市の場合は常設でのスペースが8台では不足するため、臨時駐車場を河川敷に確保し、シャトルバスで往来させるとのこと。(補正予算で8000万円) JR、地下鉄、都電、都バスなど、飛鳥山への交通アクセスが抜群の北区の場合、大型バスの対応を見込むのかどうか、みこむとしたらどうするのか等、検討が必要ではないか。

 更に、財政的には、岐阜市の予算では令和元年度で約3.2億円。市としての負担は約2.1億円。ドラマ館の制作・運営は、NHKエンタープライズが1社随意契約で、委託料は約2.4億円。冒頭の自治体としての目標と税金の使い方との関係で、どの程度の規模としていくのかも、判断が必要だと感じました。

 両市を視察して、大河ドラマはひとつのきっかけであり、その前後を通じて、今を生きる人々がどのような歴史的な学びを得るのか、地域文化の伝承や経済の活性化につなげていくかを考え、形にしていく協働の取り組みが大切ではないかなど、考えさせられる視察となりました。

これ以前の記事を見る