ひきこもり支援を考える

 KHJ全国ひきこもり家族会連合会が主催する「ひきこもり問題の理解促進と支援力向上のための研修会」に同僚のせいの恵子さんと参加しました。

 最初にお話頂いた支援員の鈴木美登里社会福祉士さんは、自らも小学校の頃から不登校だった当事者と自己紹介。

 ひきこもり像のとらえ方について、不登校やいじめ、解雇、離婚など、原因が本人にあるのではなく、貧困や障害、ストレスや暴力、ハラスメントなど、背景に様々な社会、地域、家族の問題があること。

 当事者主体のアプローチのあり方について、家族の側に立ちすぎるとコントロールしがちになる。本人の自己決定、選択を尊重する。

 何度でもやり直せる支援、変化の中でかかわり、対応を考えていく。当事者同士のつながりも大事であることを学びました。

 また、竹中哲夫日本福祉大学名誉教授は、長年、ひきこもりに取り組んできた中から「どこまでいったら解決というのか?」と問いかけ。

 人それぞれの多様な生きる状態を尊重する立場に立つならば、長年、ひきこもる人の生き方も人生を送る一つのあり方として尊重されなければならない。

 当事者によって異なる多様なニーズに、できるだけ対応した柔軟な支援を目指す共生社会、誰もが排除されない社会像をめざすことも課題である。本人や家族が、何とか安心できる状態に少しでもなれるようにーと語りました。

 内閣府が実施したひきこもり調査では、15~39歳で推計54万人、40~64歳で推計61万人と計105万人をこえている。日本の総人口1億2600万人のうち100人に一人だ。

 逆を返せば、それだけ日本の社会が生きずらい、一人ひとりの自由なあり方を認められない社会だということ。

 社会そのもののあり方、家族との距離の取り方、人との関わり方、自身自身の価値観や慣習、いろいろな角度から考えなおす機会となりました。

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