「生産性がない」「区が滅ぶ」発言から考える

 この間、自民党の国会議員や地方議員が、性的マイノリティに対して「生産性がない」「区が滅ぶ」などの発言を行っている。一人ひとりの当事者への差別発言、人権侵害であり、謝罪と撤回を求める。

 そしてこの文脈にある「子どもを産む・産まない」は、歴史的にも「女」の役割、存在価値を左右する問題であり、とりわけ家父長制度の下、その家の財産、後継ぎとしての男性嫡出子を産むことに、女(嫁)の役割が求められてきたことを考えると、

 この発言は、性的マイノリティへの差別にとどまらず、「子どもを産まない」女にも向けられる発言ではないかと感じている。

 多くの人は善意から「結婚しないの?」「お子さんはまだ?」と声をかけることがあると思うが、私自身は「あなたの価値で私を見ないで。それは自分が決めること。私は私で生きているの」と言いたいのだ。

 たしかに子どもが生まれることは大事なことだが、一人ひとりは、子どもを産むためだけに存在しているのではない。

 政治や行政の役割は、一人ひとりの人生の選択において、安心して妊娠・出産・子育てができる環境や制度を充実することであり、「子どもを産む」ことの一方的な価値観をおしつけ、個人を縛るものではないと心したい。

 

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