準備していた「本会議個人質問」

 2月22日、24日の北区議会本会議は欠席となりました。理由はコロナ濃厚接触者にあたることとなり、自身の健康観察の必要と、その間は感染防止に努める自宅待機となったためです。

 24日の本会議では、個人質問を行うことになっていたので、その日の質問はかないませんが、来週からの委員会質疑などで、議員団とも協力しながらとりあげていきます。質問項目は以下の内容でした。

 1、医療的ケア児への対応。2、パートナーシップ制度導入について。3、DV相談・支援の拡充。4、スクールセクハラをなくすために。5、性に関わるアンコンシャス・バイアスの解消。6、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖にかかわる健康と権利)の拡充。7、食品ロスとくらし支援の連携です。

以下、概略を掲載します。

1つめは、医療的ケア児への対応について

 新年度予算案には、区立の学校や保育園などに通う子どもの医療的ケアの対応を、訪問看護ステーション等に委託し進める経費が計上されました。

 区民からご相談を頂き、会派としても本会議質問や自立支援協議会でも繰り返し要望し、保護者からも、「本当に良かった」との声を頂いています。区の決断を心から歓迎します。その上で、他の保護者からも、更なる要望を頂きました。

①医療ケアを受けられる対象を「指定管理保育園や私立保育園等、公私立問わずに拡げてほしい」との声です。区の見解と今後の見通しをお聞かせください。

2つめは、パートナーシップ制度の導入について

 長年の区民要望が実り、今年4月から北区でも「パートナーシップ宣誓制度」がスタートします。尽力されてきた当事者の皆様、区民理解を拡げる取り組みをすすめてきた全ての方々と共に喜び合いたいです。そうした中、当事者の方から更に要望を伺う機会がありました。以下、区としての考えや取り組みを伺います。

①公営住宅や病院の対応で家族として認められる他に、災害遺族への弔慰金など、自治体の福利厚生制度についても、同等の保障を行うよう改善をすすめること。また、ファミリーシップ制度としても運用してほしい。

②東京都も新年度、同制度を導入する方針が示されているが、北区の制度との連携はどのようになるのか。

③東京都は、当事者の届け出をオンラインで受理するしくみを取り入れる予定。北区でも実施してほしいがどうか。

3つめは、DVの相談・支援体制の拡充について

 北区では、相談件数が増加しているDVなどへの取り組みとして、専用ダイヤルや対面による平日・夜間、土日の相談、区民向けDV防止啓発講座の実施、昨年は、中高生向けデートDV理解促進リーフレットを作成、配布しました。

国の動きでは、DV防止法の通報・保護命令の対象拡大について、今年の通常国会に改正案が提出される見込みです。(身体的暴力や生命に対する脅迫の他に、精神的暴力や性的暴力を加える)

他方、課題も山積です。例えば、被害者の保護命令を緊急に出せるようにする。安全を保障するシェルターの増設。日本で遅れている加害者対策。児童相談所とDV相談機関の連携。加えて、逃げない・逃げられないDV被害者が大半を占める中で、加害者といても危険でない状況をつくる支援などです。

こうした課題に照らし、北区のDV相談・支援体制の拡充について質問します。

①つは、コロナ禍でも対応可能なLINE相談の実施や、

②つに、理解者や支援者を増やしていくための支援者養成講座の開催です。新年度予算案に、女性相談の拡充として示されておりますが、内容についてお聞かせ下さい。

③つに、ハードルの低い、宿泊も兼ねた一時的な安心・安全の居場所の提供です。

④つに、DV被害者の方が、生きる力を取りもどす支援プログラムの実施です。

 このプログラムについて、私は民間支援団体が実施している会合に参加。同様の悩みを抱える女性が集まり、それぞれの思いを分かち合う。自分の身に起こったことは何だったかを知り、DVを見抜く力、自分の人生を自分で選択していくプログラムです。  

 笑いあり涙あり。専門家の問いかけやアドバイスも受け、話が進むにつれ、参加者が元気を増してくる様子に、安心して語り、学び合える場の重要性を感じました。是非、北区でも検討を求めます。

⑤つめは、加害者更生プログラムの実施です。国もモデル事業をはじめています。北区での早期実施を求めます。

4つめは、スクールセクハラをなくす取り組み

 私は昨年の6月議会で、日常にある性暴力「痴漢」をなくす対策を提案。初めて被害を受けたのは子どもの時が多いとのアンケート結果も紹介し、子ども期の性暴力、人権侵害をなくすため、今回は、「スクールセクハラ」についてうかがいます。

 スクールセクハラは、学校でおこる性的な嫌がらせです。塾やお稽古事、スポーツ教室の場でもおこります。内容は、性的な「からかい」「いじり」スカートめくり、ズボンおろし、カンチョーなど。「悪ふざけ」として見過ごされがちですが、これらは人権侵害であり、性暴力です。どんな時でも被害者は悪くないが、私自身も含めて、自分もやった、やられたかもと思いあたる方も少なくないのではないか。

①どんなことが、どんな行為がセクハラになり人を傷つけるのか、セクハラが起こった時、どうすればよいのか等、具体的なことを学校でも学ぶ必要があると考えますが、教育長の考えをお聞かせください。

5つめは、性にかかわるアンコンシャス・バイアスの解消について

 日本社会は、性別役割分担意識や「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれる「無意識の思い込み」など、性差に関する偏見や固定観念が強いと指摘されています。

 内閣府男女共同参画局は、アンコンシャス・バイアスの解消が、ジェンダー平等にむけた取り組みになると、昨年8月、20代~60代までの約1万人を対象に、世代間や性別による意識の差があるかなどアンケート調査を実施。その結果、家庭や職場などでの性別役割や無意識の思い込みが、回答者の約8割に見られ、また、アンコンシャス・バイアスの言葉の認知度は、2割程度と公表しました。以下、いくつか概要を紹介。

男性、女性共に上位2項目は「女性には女性らしい感性がある」と「男性は仕事をして家計を支えるべき」で、男女ともに5割前後の高い割合に。

世代間では、男性の50代~60代で性別役割意識が強い。また、20代~30代の男性で「同程度の実力なら、まず男性から昇進や管理職に登用するものだ」との意識が強い。更に「育児期間中の女性は、重要な仕事を担当すべきでない」が、男女ともに1位。

現在は、共働き世帯が専業主婦世帯の2.5倍にもなり、夫も妻も外で働き、家庭役割を共に担うことがあたり前の時代になっているが、家事・育児は女性がするべきとの意識が未だに根強く、高齢になるほど賛成が多くなったと指摘。

 以上のような結果をふまえ内閣府は、「私たちの中にある、また、社会の中に埋め込まれた無意識の思い込みは誰にでもあり、なくすことはできないが、気づくことが対処の第1歩になる。気づいた人から声を出し、発信していくことが、誰もが生きやすい未来へと繋がっていく」とよびかけています。そこで、2点質問します。

①内閣府が作成したアンコンシャス・バイアスのチェックシート、事例集、アンケート結果等を活用し、区民向けの啓発講座、ワークショップを実施するよう求めます。

②内閣府では、性別よる固定的役割分担にとらわれない「フリーイラスト」を作成し、無償提供しています。北区の広報などでも積極的に活用、PRするよう求めます。

6つめは、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ「性と生殖に関する健康と権利」の拡充について

(1)「生理の貧困」から、「生理の尊厳」を求め質問します。

 コロナ禍の下、経済的理由により生理用品が買えない「生理の貧困」が、日本でも浮き彫りになり、昨年9月、北区は防災備蓄を調達し、区内相談施設や窓口での無料配布を実施。23区では民間事業者と協定し、公共施設に無料ナプキンディスペンサーの設置や、小中学校の個室トイレ、洗面台に生理用品の配置をはじめた区もあります。

①公共施設での無料配布の継続や小中学校での常設について、北区から検討する旨の答弁を得ているが、その後の取り組みについてお答えください。

 次に、生理や性について学び、オープンに語れる環境についてです。

生理の貧困をめぐる根源的な問題は「人前で話すのは恥ずかしい」「隠すべきもの」というスティグマにより、公の場で語られてこなかったことや、男性だけでなく、女性も含めて必要な知識を学ぶ機会が不十分であると指摘されています。このように、

②生理の貧困は、経済的困窮だけでなく、知識と理解の貧困の結果としても生じているものであり、科学的な知識と手当て、からだの権利や配慮について、性別を問わず繰り返し学び、オープンに話すことができる環境が必要と考えます。区の見解と取り組みの充実を求めます。

 更に、地域の中での気軽な学びの場として、豊島区の取り組みを紹介します。

 豊島区では昨年9月より、NPO法人ピッコラーレに委託し、10代~20代の女性を中心にした気軽に立ち寄れる居場所「ぴこカフェ」を月2回、池袋サンシャインシティの1階店舗で開催。ワンドリンク付き、WIFIや充電環境も完備。PCや読書など自由に過ごせる場、スタッフの助産師に、友人関係、恋愛、学校、仕事、家族のこと、何でも相談できる場になっています。

生理用品コーナーもあり、様々な種類のナプキンや吸水ショーツ、月経カップなど、自分にあうものを探す、避妊具や妊娠検査薬を持ち帰ることもできます。占いやアレンジメントなど、楽しい時間も企画し、いざという時、気軽に話せる関係づくりに努めているそうです。

 また、豊島区が2か所開設している「中高生センター」では、ピッコラーレの助産師さんが出張相談会「ぴこタイム」を企画。血圧や、今時、血中酸素濃度を測り、子ども達に身体に興味を持ってもらい、徐々に打ち解けたところで、生理用品や避妊具についても紹介し、ザックバランに学んでもらう場にしています。子ども達は、にぎやかに楽しみながら、質問も多数してくれるそうです。そこでうかがいます。

③学校での包括的性教育の学びとあわせ、学校以外の場でも、気軽に生理や性について学び、学び、相談できる場を増やすよう、北区の取り組みを求めます。

(2)安全・安価な緊急避妊薬や中絶薬のアクセス改善について

 緊急避妊薬は、避妊せずに行われた性交から72時間以内に服用すれば、高い確率で妊娠を避けることができる。日本では、若年層における意図しない妊娠やDV、性暴力被害が増加し、その重要性が増しています。

党区議団は、2020年9月議会で、緊急避妊薬を薬局で販売できるよう質問。国も、男女共同参画基本計画に、医師の処方箋なしに薬を使えるよう検討すると盛り込み、今月4日には、緊急避妊薬のアクセス改善を求める要望書が25団体の連名、15万筆の署名と共に、厚労大臣に提出されました。

 中絶薬については、2020年11月議会で、私が本会議質問を行いました。

昨年末、国内初となる内服による中絶薬が製薬会社から承認申請され、早ければ1年以内にも薬事承認、実用化される見通しとなり、価格設定や処方・販売方法が、現在、大きな焦点となっています。

国際的には世界80か国以上で使用され、平均価格は780円。昨年3月、国際産婦人科連合は、妊娠初期の中絶について、コロナ危機の下、遠隔医療で中絶薬を処方し、自宅で女性が自ら中絶する方法の有効性、安全性が証明されたと各国政府に取り組みの強化を推奨しています。

日本での承認に際し、医師の診察や入院が必須となった場合、中絶手術並みに十数万円かかるならば、女性の自己決定や安全な中絶の権利が制限される恐れがあると、経口中絶薬の高価格設定に反対する等の署名は、10万人を超える賛同が寄せられています。そこでうかがいます。

①緊急避妊薬も中絶薬も、女性の自己決定権を尊重し、安全・安価でアクセス改善となるよう国に求めてください。

7、最後の質問は、食品ロスとくらし応援の連携した取り組みです。

 私は先日、北区社会福祉協議会のお話を伺う機会がありました。

コロナ禍で、困窮家庭が顕在化し、食品・食材に困っている家庭も増え、北社協の相談でも、高齢者や生きづらさを抱えている方の他、若者やひとり親家庭、現役世代や外国籍の方が増えているとのこと。

そうした世帯へ食料を届け、活用してほしいと、企業や個人、町会・自治会などから食品の寄付が増加し、2019年は74件613品、2020年は204件9263品と、約15倍になり、子ども食堂や必要な家庭にお渡しするフードパントリーへの活用、社協の窓口へ相談に来られた方へ、自由にお持ち下さいと案内してきたそうです。

現在の課題は、寄付の保管場所・ストックヤードの確保、寄付の内容とニーズのマッチングと伺いました。

一方、北区も昨年7月より、富士見橋エコー広場館や北区清掃事務所を窓口に「フードドライブ」への食品提供をスタートさせています。そこでうかがいます。

①ゼロカーボンシティ北区の具体的な取り組みの1つとして、食品ロスとくらし応援を連携し、社協の課題解決も含め、区民と協働してすすめるしくみの構築を求めます。

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