健康福祉委員会視察 富山市まちなか総合ケアセンター

28日、健康福祉員会視察の2日目は、富山市の医療・障害者・高齢者等複合施設である「まちなか総合ケアセンター」を調査。

小学校跡地に地域包括ケアの拠点として建設された同施設は、3階建て。

3階は、産後ケア応援施設。

子育て中の保護者アンケートの結果、産後4ヵ月までの乳児期に子育ての不安や悩み、産後うつなどへのケアに対するビーズが高いことから設置を決めたとのこと。

デイケア事業の他、最長6泊7日まで宿泊ができる和・洋室を計5室備え、母親のレスパイトやサポートを助産師を中心に対応し、とても喜ばれている事業とのこと。

課題としては、対象が4ヵ月までの親子にて、4か月以降のフォローを市内7カ所ある保健センターなどと連携していることや、上に兄弟姉妹がいる場合、一緒に宿泊や施設が使えないので、一時保育やあずかりができるようにしたいことだと。

北区でも、産後デイケアや産後ショートステイ事業は、民間法人や医療機関と連携して設置場所や利用料の軽減など拡充をしてきたが、地域偏在も含めて更なる充実が望まれている。

2階は、在宅医療を行う「まちなか診療所」や「医療介護連携室」

在宅医療に特化した診療所として、富山大学病院の医局と連携し、総合診療医師を市の常勤として4名確保。看護師は市民病院と連携し、8名を確保(会計年度任用を含む)し、24時間365日体制で対応している。

約6割は、がん末期の在宅医療、その他、脳卒中や難病の患者さんを診ている。

コロナ禍で、病院治療の場合は面会制限がある中、本人や家族の在宅療養のニーズに応えられる事業として、喜ばれている。

課題は、専門職の確保と人材育成が継続課題であるが、医療介護連携室を中心に研修会も行い、地域包括ケアのネットワークを構築していくとりくみは、北区においても参考になると感じました。

また、精神保健福祉士や社会福祉士が同行訪問する体制も、地域でくらす当事者を支えるチーム医療・ケアとして大事な活動だと感じました。

2階には、「病児保育室」も設置されています。

病児をみることができる専門保育士や看護師をそれぞれ4人づつ確保し、保護者が仕事などで家庭で保育することができない時に、保護者の代わりに保育看護を行う。(定員10名)7時半~19時

子どもが保育園に登園していて体調が悪くなった時、保護者がすぐ迎えにこれない時なども、看護師と保育士が保育園に迎えに行き、医療受診も行う。タクシー代の保護者負担は4分の1。緊急に受診が必要、保護者もすぐに迎えにいけない時など、大変、助かる事業だと思いました。

1階は、まちなかサロンや地域連携室、子ども発達支援室

まちなかサロンでは、4ヵ月以降の産後ケアのフォローでママ講座を開催したり、まちなか保健室として、健康講座を企画。地域連携室では、市民向けにも介護予防や在宅医療について情報・交流の場とし、研修は保健師が企画している。

子ども発達支援室は、市内にある療育園の分室として位置づけ、指定管理で委託し、発達に課題のある子どもの相談や療育を行っている。

施設ができてから5年たつが、コロナの影響で官民連携のイベントや利用も制限せざるをえない状況もあるとのことだが、市として専門職を確保しながら、住民ニーズに応える取り組みをすすめていることは、北区の取り組みにも活かしていきたいと思いました。

富山市内の紅葉

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