北区R8年度予算に対する組み替え動議を8名の議員で共同提案(新社会党・れいわ・共産)

 3月25日(水)北区議会最終本会議にて、新社会党福田議員、れいわ新撰組佐藤議員と共に、日本共産党北区議員団6名が共同で、北区のR8年度予算に対する組み替え動議を提出しました。討論に先立ち、提出議員を代表し、日本共産党のながいともこ議員が、以下、提案理由の説明を行いました。

 先の見えない物価高騰に加え社会保険料などの値上げで区民生活が疲弊しています。また、物価高騰に関しては、中東情勢と原油高などでさらに拍車がかかる懸念があります。こうしたなかであっても、1億数千万円のマンションが購入できる層があります。しかしその一方で、特に非正規労働者、年金生活の高齢者、ひとり親世帯など、毎日の生活費でさえ苦労する世帯があり、区内の経済格差が一段と拡がっています。区には、こうした格差を是正する公共の役割をさらに発揮することが求められています。

北区の令和7年度末の財政調整基金の見込み額は、過去最高の249億円にもなり、当初見込んでいた年度末残高より約76億円も上振れしています。私たちの提案は約39億円です。こうした余剰は積み立てるばかりでなく、さらに区民のくらし等を支援し、地域経済の好循環を生み出すことに活用することを求めます。その項目については、すでに文章でお示しのとおりですが、事業の内容を紹介し、提案理由の説明と致します。

以上、議場のみなさまのご賛同を心からお願いし、提案理由の説明と致します。

提案理由の説明後、続いて討論となり、日本共産党北区議員団を代表し、令和8年度北区一般会計予算に対する反対討論および、組み替え動議に対する賛成討論を、宇都宮ゆり議員が行いました。以下参照

新年度予算において、奨学資金返済支援給付の実施、区立小中学校修学旅行等宿泊事業の無償化、若者応援事業、不登校対策の拡充、北区独自の低所得者向けエアコン購入助成、タクシー券支給を精神障害1級へ拡大、30%プレミアム付き北区デジタル地域通貨発行などは、住民要望の反映として評価します。

第一は、大幅な歳入増に比して、物価高騰の影響を受けている区民の暮らしや、中小業者の営業、賃上げ支援が不十分であることです。

厚生労働省が2月に発表した勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は、前年から1.3%減り4年連続のマイナスに。資本金10億円以上の大企業の内部留保が539.3兆円(2023年度)に積み上がり過去最大となる一方、北区でも約9割を占める小規模事業所の企業倒産は、昨年全国で12年ぶりに1万件を超えました。

引き続く物価高騰の下、区民の暮らしや中小業者の営業を支援することは、区の重要な責務となっています。

新年度は、特別区税、特別区交付金など歳入が軒並み増加、一般会計で2120億円と過去最大の予算規模となり、本来なら、暮らしを応援する施策を拡充すべきですが、区は年度末と新年度合わせて80億円を特定目的基金に積み立て、財調基金残高を過去最高の249億円に積み上げる予算案を提示しました。その結果、2013年からの12年間で、一般会計の予算規模は約1.4倍に伸びていますが、主要基金総額と財調基金の伸びはそれぞれ約2倍と予算以上の増額となっており、基金ためこみの傾向が加速しています。

建設コストも上昇傾向にあり、新庁舎建設や学校改築への一定の備えは必要と考えますが、積み上がった財調基金の一部を活用すれば、会派が予算審議で求めた、低・中所得の課税世帯を含む生活支援金の支給、介護などケア従事者や中小事業者への賃上げ支援、家賃補助の創設、高すぎる国民健康保険料の軽減など、区民の切実な願いにこたえる施策は十分に実現が可能と考えます。

基金ためこみから、歳入の増加にふさわしく、区民生活をしっかり応援する区政に切り替えることを求めます。

第二は、公民連携推進条例を制定して、営利目的の民間企業に行政参入の門戸を開き、外部化による「行革」路線をさらに強化しようとする姿勢です。

これまで一定の成果をあげてきた政策提案協働事業などの例もあり、区政課題解決のために民間事業者と共同して取り組むこと自体を否定するものではありませんが、経営改革プランの下で推し進められてきた「外部化」は、官製ワーキングプアを拡げ、公民連携による大規模な市街地再開発事業は、住環境に被害をもたらしています。

今回の公民連携条例の目的は、営利目的の民間企業にさらなる行政参入を促すことにあり、公の役割と責任の低下、区民サービスへの影響が懸念されます。

とりわけ本条例が、第3条で、区が行おうとする事業について、「可能な限り公民連携事業として実施する」ことを求め、第4条で、区と民間事業者が、「相互の利益を見出す」と定めていることは重大です。区にとっての利益は、住民福祉の増進ですが、民間事業者にとっての利益は、「収益をあげること」であり、「相互の利益」を可能な限り追求することになれば、北区が民間事業者にもうけを供する機関になりかねません。

実際に予算委員会での質疑でも、区から、「区営住宅の建て替えにおいて公民連携が模索されたものの、民間事業者の利益を見込むことができないことから実現に至らなかった」との説明があり、民間が利益を出せなければ、公民連携事業は成立しないものであることが明らかになりました。

「民間ありき」の「稼ぐ区役所」ではなく、公としての役割を堅持し、住民福祉の増進に資する区政を求めます。

第三は、タワーマンション建設を呼び込む市街地再開発計画に固執し、民間大企業の利益に奉仕する駅周辺での「公民連携」まちづくりを推し進める姿勢です。

王子駅前地区の再開発計画では、北区が大手民間事業者と一体に再開発等促進区を導入し、緑地帯や貫通道路、バリアフリーの整備と引き換えに、区域の容積率を現在の500%から1000%へと緩和、190メートル50階建てのタワーマンション2棟を建設する民間事業者の計画が示されました。

これに対し、3月13日、14日に北区が開催した「王子駅前地区のまちづくりに関する説明会」では、会場いっぱいに詰めかけた参加者から、「50階のタワマンを2棟も建てるのはやめてほしい」、「2000戸もの人口増で、小・中学校、保育園、電気、上下水道、ごみ処理などのインフラ整備はできるのか」、「国や北区の税金がどれくらい使われるのか」、「大規模なまちづくりの整備計画を短期間で決めてしまうのは疑問」など、超高層ツインタワー建設への懸念の声が多数出されました。

そもそも、1戸1億円を超える2000戸もの分譲マンションは、どれほどの需要があるのでしょうか。そこに住む住民のためではなく、民間事業者に巨額の利益を得させることが目的なら、本末転倒のまちづくり計画といわなければなりません。

さらに、延べ床面積2万7000平方メートルにも及ぶ超高層建築物は、建設時やその後の運営においても大量のCO₂を排出することとなり、ゼロカーボンシティをめざす北区の方針に、矛盾するものです。

「100年先を見据えたまちづくり」というなら、1000%への容積率緩和を見直し、50階建て超高層の階数を大幅に抑え、環境に配慮した計画へと変更すべきです。

一方、赤羽のまちづくりでは、「まちづくりガイドライン」の策定に向け、新たに立ち上げる検討会は2つの部会が非公開、別途庁内で検討される赤羽小学校や赤羽会館等の公共施設の再配置についても会議は非公開とされています。まちづくりは住民合意が大原則であり、すべての議論は公開で行うことが必須です。

今後、あらゆるまちづくりの計画内容について十分な説明責任をはたし、区民の疑問や声に真摯に耳を傾け、住民理解と合意形成の場を保障するよう求めます。

次に、三特別会計予算についてです。

まず、国民健康保険事業会計予算です。

新年度保険料は、昨年の一人あたり年額17万3216円から18万6049円へと、1万2833円の値上げになりました。国民健康保険料は、均等割に加えて、所得割として所得の13%弱が課されるという非常に重い負担であることに加え、新年度からは子ども子育て支援納付金分も加算されます。子育て施策の拡充は必要ですが、その財源を国民健康保険制度に求め、払いたくても払えない水準の保険料をさらに引き上げる予算は認められないことから反対いたします。

後期高齢者医療保険会計予算についても、国保と同様、保険料に「子ども子育て支援金」などが上乗せされたことなどにより、1人あたりの平均保険料が11万1356円から12万7400円と1万6044円もの負担増となり、かつてない保険料の値上げとなっていることから反対します。

介護保険会計予算には賛成しますが、訪問介護報酬引き下げなど危機的状況にある介護事業所や介護ヘルパーへの区独自の支援を求めます。

なお、予算審議でもふれた平和の課題について、以下、要望しておきます。

今、世界では、ロシアによるウクライナへの侵攻、イスラエルによるガザ地区への攻撃、さらにはアメリカ・イスラエルによるイランへの武力攻撃など、国際法や国連憲章をふみにじる「力の支配」が横行しています。

そうした中で、憲法9条と非核三原則の遵守を高らかに謳っている「北区平和都市宣言」を策定し40周年を迎える北区が、平和を発信するとりでとなって、ただちに戦争を中止し、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を実現するよう国際社会に訴えることを求めます。また、若い世代に平和の尊さを伝えるため、中学生を速やかに広島・長崎の被爆地へ派遣することを求めます。

今回の組み換えで、特に重要だと考えるのは、中小事業所などで働く人の賃上げ支援です。

北区は、賃上げは国や東京都が行うべきとのお考えですが、国も重点支援地方交付金の推奨メニューに、中小企業の賃上げ支援を加えています。豊島区では今年度末の補正予算で約5億4000万円を計上し、中小企業が来年度賃上げを行った場合に、その企業に支援金を支給する「賃上げ促進支援金」として、約4億1000万円を計上した他、介護や障害福祉事業所での福祉人材確保のための支援金として、約1億3000万円を支給します。また、墨田区、渋谷区、杉並区などでも、介護従事者への区独自の手当支給を予算化しています。

諸物価高騰に対応できる本気の実質賃金引き上げのためには、国や東京都まかせとせず、北区自身も踏み出す姿勢を示すべきです。

このほか、民間住宅の家賃補助、教育費負担軽減のための入学準備金の実施、課税世帯に対する補聴器購入助成やシルバーパスの助成などは、他区においてすでに実施されている実現可能な施策であり、北区でも実施すべきと考えます。

国民健康保険料については高額な保険料であり、滞納世帯が1万7000世帯を超えるという現状のもと、ようやく国も、18歳までの均等割り半額を検討し始めましたが、その支援を国に先駆けて行うものです。

以上、議場の皆様のご賛同を心よりお願いして、日本共産党北区議員団の討論と致します。ご清聴ありがとうございました。

その他、国民健康保険と後期高齢医療は、保険料の値上げなどから、日本共産党区議団(6)、立憲クラブ(2)、新社会(1)、れいわ(1)の計10人が反対しましたが、他、賛成多数で可決。

介護保険会計は、れいわ(1)が反対しましたが、他、賛成多数で可決となりました。

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