生きさせろ!困窮者支援の 抜本的解決を求める院内集会

10月20日、衆議院会館にて開催された「生きさせろ!コロナからもうすぐ3年 出口の見えない困窮者支援 貧困問題の抜本的解決を求める院内集会」に参加しました。(反貧困ネットワーク いのちとくらしを守るなんでも電話相談会主催、新型コロナ災害緊急アクション他 協力)

はじめに、反貧困ネットワーク理事長の宇都宮健児さんより「支援現場では、深刻な相談が続いている。20~30代の若者は約6割。心の病を抱えている人がその中で7割を超えている。非正規雇用やひとり親、若者、外国籍の方などに大きなダメージが。今こそ公助の出番だが、なかなか見えてこない。現場から政策提言を行いたい」との挨拶がありました。

続いて、反貧困ネットワーク事務局長の瀬戸大作さんから「かけつけ支援のほとんどは、所持金が数百円。事務所に移動してくるお金もないので、こちらから駆けつけるしかない状態。非正規や派遣で寮にすみこみだが、雇止めで住まいを失う。家賃未納で強制退去など。アパートの初期費用が捻出できず、ネットカフェや野宿の人も。大半が親も貧困。家族に頼れない人が多い。携帯電話が払えず、通信できない状況の方も。特例貸付も来年1月から返済がはじまるが支払いできないSOSが増えている」との報告あり。

なんでも電話相談の猪瀬正弁護士は「コロナ禍、13950件もの相談を受けてきた。非正規、自営業、フリーランス、無職の方がほとんどである。8月は55%が仕事がない方から。所持金も1万円以下で追い詰められている。生活保護を受けやすく。特例給付の返済免除を拡大し、家賃補助も恒久化してほしい」と語りました。

反貧困ネットワークの世話人雨宮処凛さんは「16年間、貧困問題に取り組んできて、DVや虐待、精神、ホームレスなどの課題と向き合ってきた。コロナの2年半で、普通に暮らしている人が失業を理由にして、あっという間にホームレス化する状況になっている。とくに女性の問題は複合的。パパ活、性産業、望まない妊娠も多い。コロナ禍における女性の生活、労働、貧困、減収の状態の実態調査をしてほしい。給付金は世帯ではなく、個人にしてほしい」とお話しされました。

第2部に入り、各省庁の職員の方が出席し、要請項目について回答して、会場参加者などと質疑応答。

・生活保護では、物価高や光熱費の上昇への対応として、生活保護基準の引き上げや夏季加算の創設を要請。

厚生労働省からは、「5年に1度の見直し時期。部会で必要に応じて改定する」との回答。

2013年の基準引き下げに対し、裁判が提訴され、この間、大阪、東京、横浜と4つの地方裁判所で勝利判決が積み上がっており、すみやかに生活保護基準の引き上げをと強調されました。

・特例貸付の来年1月からの返済免除の抜本拡充と相談体制の確保を要請。

9月の北区議会本会議質問でもとりあげました。

・居所のない相談者に対して、ビジネスホテルなどの一時宿泊を認めてきた。11月以降も継続し、年末年始体制も含め、人権侵害を行う貧困ビジネスの実態も知られている無料定額宿泊所を強要せず、居宅生活を行う上で必要な足円を実施することを前提として、速やかに居宅生活に移行するよう要請。

1部屋に何人も入居していたり、本人の手元にくるお金は1万円にも満たないなど、劣悪な処遇をしているところもあり、無料低額宿泊所や自立支援センターは「いやだ」と逃げ出す人が多い。。速やかに行政が実態調査に入り改善をはかるべきと報告されていました。

・住宅確保給付金の拡充、恒久化、民間住宅に暮らす低所得者への家賃補助制度、入居費用の無利子貸付制度の創設、若年単身者も含めた低所得者の入居要件の緩和で、60歳未満や単身者でも入居できるようにするなど、住まいの保障を要請。

・零細な事業者やフリーランスを苦しめるインボイスの導入は中止を要請。

インボイス制度は、「税率変更を伴わないを消費税の増税」だ。その増税分を誰が負担するのか法律では決まっていない。結果、取引の中で一番力の弱いものがそれを負担することになる。アニメ業界はインボイスの導入で、4人に1人が廃業になるかもしれないといわれている。フリーランスや自営業の人は、声があげにくい。会社の組織になじめずフリーランスをやっている人もいる。それなのに、税制がなんで自分の生き方を奪うのか!と怒りの発言もありました。このまま導入されると仕事から排除され、追い詰められてしまう人が続出する。あまりに拙速であり中止を。

要請に参加し、区民の相談も思い出され、一つ一つの報告、要請が胸に迫りました。誰もが本当に安心して生きていける社会にするために、公の責任で、スピード感を持って、制度を拡充しなければならないと痛切に感じました。

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