2026.05.26
まちづくりと市街地再開発を考える
東京中で、超高層ビルやタワーマンション建設がすすめられ、北区でも十条駅前に39階建てのタワマンがすでに建設された。続いて赤羽駅前、そして王子駅前と次々に、タワマン誘致の再開発計画案が提案されている。
王子駅前にいたっては、住友不動産が、190m50階建てのタワマンを2棟(2000戸)も建設する計画案を示し、住民からは「王子のまちにふさわしくない」「いったい誰が買うのか」「風害をはじめ、環境悪化も心配だ」との声があがっている。
まちづくりは本来、住民が考え、住民主体でボトムアップですすめるものではないか。
一方、市街地再開発事業はトップダウンのプロセスで、住民に対しては権利制限、住民の権利を縛って行う事業とも感じている。
今一度、タワーマンションの問題点を考えてみよう。
その1つめは、土地まで区分所有を行い、壊し方を考えていないこと。
修繕積立金はあるが、改築、建て替え、解体のための積立金はない。一般の土地・建物の相続を考えても、相続人の多数化は抑制するようになっている。土地まで区分所有するのは、世界でも日本だけと言われている。
実際、事業を進める民間ディベロッパーなどは、現時点での営利を目的としており、建てたマンションを売りきったあとは、地域の将来に特段、責任を負う必要はない。
しかし大変なのはその後で、タワーマンションは修繕に費用がかかるので、一般に修繕積立金が高い。そのうえ大規模修繕や建て替えが必要になれば、積立金の増額が欠かせない。それについて、入居者の合意が得られるのか。入居者同士の合意形成は至難で、その人達が高齢化すればなおさらである。結果として、廃墟になるリスクが非常に高いと指摘されている。
将来、建替えや解体もできないような、巨大ビル・マンションという構造物を建設していいのかを問う必要があると考える。
2つめは、民間デベロッパーなどが得る利益と税金の正当性。
市街地再開発法第1条では、「都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、もつて公共の福祉に寄与することを目的とする。」とある。本来、公共が行う事業を民間が行う内容であり、税金を使って民間デベロッパーに儲けさせるためではないのだ。
そこで、デベロッパーは表向き、利益を隠し、みせないようにしているとも言われている。
しかし、確実に利益は出ているのだから、大きな利益があがったならば、投入された税金分は返納されるべきである。
今回の王子駅前開発について言えば、容積率500%を1000%に緩和せずとも、民間不動産は十分に現状の容積率で採算がとれると考える。2000戸の予定が1000戸になったとしても、1戸が約1億円と仮定して、1000億円もの売上げになるのだ。
「100年先をみすえたまちづくり」と、北区はキャッチフレーズにするが、将来世代のことを考え、良識ある判断をするならば、目先の利益にとらわれず、巨大なツインタワマン建設の誘導は見直すべきではないかのか。

