ジェンダーギャップ解消戦略にとりくむ豊岡市

 7月10日(金)、「ジェンダーギャップ解消戦略」を掲げ、女性や若者が住み続けたいと思える自治体をつくろうと改革に取り組んでいる兵庫県豊岡市を視察しました。

豊岡市くらし創造部多様性推進・ジェンダーギャップ対策課の原田課長よりご説明を頂きました。

豊岡市では、人口が2015年82250人だったものが、2020年には57770人と30%減少。高校を卒業すると8~9割は市から転出。20代の「若者回復率」は、男性で52%と2人に1人は戻ってくるが、女性は26.7%と4人に1人しか戻ってこないことが明らかとなり「豊岡ショック」と呼ばれた。

若い女性が、「暮らし、働く価値を見出し、女性が住みたい!と思う町を創り上げない限り、次世代へ持続可能な町を引く次ぐことはできない!」と考え、若者に、とりわけ女性に選ばれていないのは何故なのか?その背景に何があるのかを分析。

Uターンした人の気心知れた友達からインタビュー調査を実施したところ、仕事がない。給料が低いなど経済的魅力に乏しいこと。また、遊ぶところがない。人間関係(出会いがない、距離感が近い、いつも見られているような感じ)など文化的魅力に乏しいとの声があったとのこと。

R6年度の内閣府調査「地域における女性活躍、男女共同参画に関する調査」でも、

豊岡市の男女別調査では、2018年男女別、世代別収入をみても、男性480万円、51~60歳の女性251万円の格差あり。経済的活力や文化的魅力が乏しい。ジェンダーギャップが大きい男性中心社会がみえてきた。

2018年、市内の企業におけるジェンダー平等の核となる「ワークイノベーション推進会議」を16事業所で設立。(2024年には111事業所に拡大)

「女性従業員の3分の2以上が働きやすい職場に」という目標をたて、働きやすさ、働き甲斐に関する匿名の「従業員意識調査(KPI)」にも取り組んだとのこと。無記名だったため、それまで口をつぐんできた女性たちの本音(女性は補助的な役割、出産、子育てを機にやめること多い)がでる結果に。

調査は、2029年~2023年度で、のべ46社、2348人が回答。うち18社が目標を達成した。

これらの本音に向き合えるかどうか、リーダーが真に課題にコミットしていけるかのリトマス紙。経営者の姿勢が変わることで、働く女性にも変化が現れてくる。

経営者実践セミナー(女性管理職の育成)、マネジメント層向けセミナー(多様な人材のモチベーション向上や性別。、世代別ギャップを理解したマネジメント手法を学ぶ)、女性従業員のキャリア形成支援(働く女性のネットワーク構築)などに取り組み、

残業の削減。男性育休の導入。評価基準の改定。女性管理職の増加など、経営者の意識改革、女性のキャリア形成支援、先進事業所の可視化に取り組んだ。

市長自身も、市の女性職員に耳を傾けるなかで、「これまでの市にはフェアネス、公正さに欠けていた」と反省し、その気づきで、市役所内のジェンダーギャップ解消にも主体的に取り組んだ。

ブリッジメンバー(20~40代の経営者)発足。互いの事業所(工場)見学会、意見交換会も実施し、

事業所が取り組みやすくするために、3つのステップアップ。せんしんカンパニー、とりくみカンパニー、あんしんカンパニー(ステップアップするたびに、成長投資、促進補助金を付与)

こうした取り組みの中で、男性職員の育児休業取得や意識改革の変化あり。2019年の取得率が10%台だったものが、2025年は60%台へアップした。

高校生や20代の若者ワークショップを実施し、行動宣言に取り組んだ。10年間のジェンダーギャップ解消戦略として、10項目をあげ、マンがでわかりやすく伝える。例えば、職業に関する思い込みなど。

市政出前講座。360区の区長会で、ジェンダーギャップ解消の意義と必要性を研修(地域啓発アドバイザーとして国立女性教育会館理事長の萩原なつ子氏が就任)。地域のまつりもその視点でアップデート。行政区ごとに地域コミュニティのグループ化をはかり、女性の参加しやすい時間帯や曜日、若者・女性の役職の登用などで意見を取り入れる。ジェンダーギャップ研修会(女性が意見を言いやすく)実施。

防災とジェンダー(女性に集まってもらい、ワークショップ)にも取り組んだ。

働きたい女性のためのデジタルマーケティングセミナーなど実施し経済的自立を支援(55%が起業、または準備中。25%が売り上げアップ、20%が再就職や転職)

ジェンダーの視点にもとづいた保育、教育。小中学校の管理職への研修。生徒会リーダー研修会(校則の見直しも)多様性をテーマにした話し合い。

ジェンダーなど多様性をテーマにしたオリジナル絵本を作成中(保育者などがジェンダーギャップ解消の必要性にちて理解し、子ども達に自己理解、他者理解を促す)

最後に、ジェンダーギャップの解消は未来に向けた取り組みであり、過去のあり様や人々の生き方を否定するものではなく、産業構造や人口構成の変化に対応しながら、すべての人にとって生きやすい社会、持続可能な地域社会をつくるための取り組みであるとのお話に、とても共感しました。

私自身もこの間、「若者・女性が尊厳をもって学び、働き、地域で暮らし続けられる北区」をめざし、繰り返し提言してきた流れにも合致し、その計画づくりと庁内横断の進め方として大変、有意義な学びとなりました。

今後の北区政にいかしていきたいと思います。

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