まちづくりを考えるー自治体議員研修セミナー

8月17日(月)、区画整理や再開発を考える「自治体議員研修セミナー」を聴講しました。

記念講演は、「まちは言葉でできている」と題し、鶴見学園女子大学兼任講師、NPO法人コンポジション(居住支援法人)理事の西本千尋氏がお話。

自身が関りをもった、住民主体の成功事例と言われている川越のまちづくりについて紹介。

「藏のまち」をコンセプトに、住民主体で「まちづくり規範」というルールをつくり、川越街並み委員会(施主、設計者、行政、商店街、自治会、商工会議所、まちづくりの専門家など)を設置。毎月、交流、話し合いを重ねてきた。観光都市としての魅力づくりとともに、そこに暮らす住民、市民、生活者にとってどうなのかとの視点が大事ではないかと。

国家や市場の論理に、地域のくらしをゆだねすぎない、足元からの自問が大事ではないかと問題提起。

千葉県松戸市のまちづくりについて、

2010年頃から人口減少、少子高齢化などの自治体課題と、空家や空き部屋の問題をコラボしすすめてきた。

居住支援法人を立ち上げ、すべての人に安心の住まいをビジョンとして、公共性からこぼれおちる人達、例えば、不登校の子どもや妊産婦支援、障害、高齢福祉などの生活相談、住まいの確保、仕事の相談などをすすめ実績をあげてきた。

あらゆる階層の人々が地域に住み続ける権利を支える住宅政策、支援するということではなく、ともにまちをつくるパートナーとして位置づける。住民の声、くらしの足元から公共性と自治をつくるとりくみが紹介された。

埼玉大学名誉教授の岩見良太郎氏は、近年の都市再生「軌道修正」を考えると題し、2020年から始まった都市再生の新たな動きを紹介。

その背景には、建築資材の高騰とあわせて、根本的には大型都市開発を進めてもGDP成長率は改善しないという矛盾の下、鍵は多様性とイノベーションとして、都市のあらたな価値を創造する視点から、人が中心の「ウオーカブルなまちづくり」へと転換。

その課題は、空間依存から、いかに価値や持続性を高めるか。

新たな市街地整備手法として、高度利用を伴わない再開発や保留床に頼らない再開発、多様な地域活動との連携として「エリアマネジメント」(例えば、JR小岩駅周辺では、再開発組合・準備組合と江戸川区、再開発事業者が協力してエリアマネジメント団体を設立し、会費を収益源として職員を雇用、まちづくり拠点の運営や制度活用、新規事業を企画)をすすめている。

今年、都市再生法が改正され、財政制約を背景に、開発からマネジメント中心へ、開発による収益と付加価値の最大化をめざすエリアマネジメントが強化され、公民連携が前面となった。

都市整備地域の開発プロジェクトについて、計画段階から管理・運営をみすえた事業を促進するため、事前に公共貢献の内容について、官民で協定を締結し、インセンティブを措置(容積率・税制特例・占用円滑化)協定を締結した場合、都市計画審議会に付議義務が生じ、都市計画法に保証された参加手続きの形骸化の恐れあり。

立地適正化施設整備協定も同様。

エリアマネジメントができる法人は大手不動産となる結果、エリマネと一体となった大規模開発、まちづくり支配が進む結果となる。

開発の後も、エリアが永続する稼ぎの場になるのでは。事業者、自治体、都市再生推進法人の三位一体のまちづくりがすすみ、住民は主体的生活者から、受け身の消費者、お客になるのではないかと問題提起されました。

北区ですすむ再開発のまちづくり、エリアマネジメントについても関連して考えていきたい。

北とぴあから王子駅周辺をのぞむ

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