2026.10.10
中高年シングル女性の働き方と生活の実態
10月10日(土)、北区さんかく大学講座の2回目は、「中高生しんぐる女性の働き方と実態」をテーマに、わくわくシニアシングルズ代表 大谷さよ子氏より講演があり受講しました。
大谷さんは、ご自身が社会の中でどう働いてきたか、結婚や子育て、離婚などのライフヒストリーもふまえて振り返り、働いていなかったのは数年だけ、ずっと働き続けてきたが、生活の大変さや老後の貧困について問題提起。その背景や社会のしくみについて問いかけました。
2012年男女共同参画白書でも、母子家庭の貧困率は50%を超え、そのまま中年期の貧困リスクから高齢期の貧困へつながる。また、中年期の独身者も氷河期世代が多く、非正規低賃金のまま高齢期貧困へとつながっていく状況がある一方で、
日本の女性支援について、DV・性被害などを受けた女性や子育て中の母子家庭、子育てと仕事の両立支援など子育て支援はあるが、女性個人への支援、中年期以降の女性への支援は無く、自己責任で語られてきた。
シングル女性でも生きられる社会を!と、2015年に「わくわくシニアシングルズ」を立ち上げ(概ね40歳以上の独身、会員交流、居場所づくり、セミナー実施・出版)、調査・提言に力をいれてきたと紹介。
2025年発表の国民基礎調査では、配偶者のいない中高年女性の数は、40~49歳で約269万人余(29.8%)、50~59歳で約239万人余28.8%と、40~59歳は約3割。60歳以上では、約1100万人余(45.6%)、65歳以上の単身世帯は、男性325万人、女性577万人で、65歳単身女性の貧困率は44%と高い結果となった。
1986年以降、女性の働き方を見てみると、男女雇用機会均等法や労働者派遣法、第3号被保険者制度などのかかわりも含め、女性は30歳をすぎたら非正規雇用が増え(40歳以上では正規雇用の求人も減)シングル女性の50%は非正規雇用である。
また、2024年「相対的貧困率の動向」として、阿部彩氏が発表したデータでは、高齢女性では未婚者の貧困率が43.1%と前回(2018年)比から8ポイントも増加。
こうした状況も背景に、2024年「困難女性支援法」が議員立法で成立し、単身女性や中高年女性も支援の対象となる下地ができ、自治体の行動計画の中にも支援の具体化を明記してほしい旨、語られました。
わくわくシニアシングルズの最新の実態調査は、2026年、母子家庭を含まず、配偶者・パートナーのいない女性1907人(独身・離別・死別・別居中)に特化したもの。既存の公的支援から「見落とされている困難」を可視化し、国や自治体へ直接、政策を提言したいとして、その内容(暫定速報版)について、以下、ご紹介がありました。
調査は、2026年8月20日~9月15日、WEB調査による。回答者1907人(有効回答1906人)
年齢区分では、40代が41.1%、50代が36.6%、60代が17.2%、70代以上が5.1% 40代~50代で77% (60代以上は、ネットアクセスが難しい状況あるか)
事情別では、婚姻歴なし(独身)66.4%、離婚25.9%、死別4.6%、別居中2%
労働別では、働いている人は、79.3% 働いていない人は、20.7%
働いている人のうち、正規職員は43.4% パート・アルバイトは18%、契約社員14.3%、派遣社員8.5%(非正規の計で40.8%)、自営業・フリーランス13.9% と、正社員は半分に満たず。
非正規雇用を選んだ理由は、⓵正規の仕事につけなかった34.5%、②体調を考慮して選ばざるをえなかった21.2%、③年齢を考えるとこの就業形態しかない18.6%となっており、⓵と②を合わせると53%を超え「構造的な不本意非正規」(40歳を過ぎたら、企業は正社員をとらない構造的問題がある)
年収では、働いている人の34.4%は、「年収250万円未満」「年収300万円未満」で、45.7%に。
住まいは、民間賃貸住宅が44%、家族と同居(持ち家、マンション)43.9%、公営住宅5.1%、UR・公社4%と公共的住宅は非常に少ない。同居人がいるは34.7%の理由では、ひとり暮らしが困難48%に。
住居費を支払った後、毎月赤字、手元に10万円未満しか残らない困窮層が、40.1%に。
今、何に困っているか。
1、食費や光熱費など切り詰め49.3% 2、いざという時、頼れる人がいない45.5%、3、貯金ができず急な出費がこわい44.5%、4、気分の落ち込み、将来、不安で気力がわかない44%、5、収入・年金が少なく毎月生活苦しい44%、6、体調不良、日常や就労に影響あり31%と、3つ~4つと複合的な困難、将来不安を抱えている。
将来への不安では、介護・認知症・低年金が7割。住まい・保証人も生存の鍵。
そうした中で、85%が一度も公的窓口につながっていない。相談したところで具体的な解決につながるのか疑問67%、シングルは対象外と思っている46%など、諦めと疎外感を感じている。
当事者がのぞむ自治体への要望が、
高齢単身女性の民間住宅支援68.7%、身寄りのない単身者サポート63.2%、困難女性支援法の周知や広報44%、居場所・交流サロンの設置25%
国への要望は、
身寄りのない単身者サポート54.1%、最賃引き上げ・正規非正規格差是正47.4%、家賃補助、公営住宅拡充42.4%、世帯単位から個人単位の社会保障37.6%、年金生活者支援給付金の拡充32.4%、中高年正社員採用の促進29.6%など報告されました。
お話をうかがい、「単身であっても自立して暮らせる雇用と社会保障」となるよう北区の施策へもいかしていきたいと感じました。
